今日のテーマは「地域活性化」を仕事にすることについて。
「地域(ローカル)」をキーワードに活動する人が集まり、知恵や経験を交換するコミュニティーでオンライン飲み会を開催しました。
そこで、合同会社paramita代表の林 篤志さんとイケダハヤトさんによって語られた
「地域活性化を仕事にすること」のお話が面白かったので、紹介します。
漠然と「地域活性化」を仕事にしたいと考えている学生、社会人は必読ですよ。
「地域活性化を仕事に!」は難しい
まず、大前提として捉えておいてほしいのが、地域活性化を仕事にするのは難しいということ。
その理由を「ゴールの設定」「マネタイズ」の2点から説明していきます。
何をもってして活性化なのか定義しづらい
まず、「ゴールの設定」について。
地域づくりに関わるお2人によると、地域活性化と言ってもその定義は人によって様々で何を指すかが明確になっていないんだそうです。
「地域活性化を仕事にしたい!」がバズワードになり、一人歩きしているんですね。
僕もそういう学生だった
地元・山形を盛り上げるために公務員になろうとか、商店街活性化に関わりたいと漠然と思っていました。
でも、そのために手段がわからなくて、「地域活性化」でGoogle検索してその手の人の弟子になることも考えていました。
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どうなれば成功なのかを考えられますか?
その時は、「地域活性化」という言葉が先行して活動のゴールが見えていなかったんですよね。
どうなれば成功かを定義できていなかったんです。
こういう人って大勢いると思うんですよ。
実際、お2人の元には「地域活性化に関わりたい!」という方から相談がくるようですが、返答に悩んでしまうそうです。
このように、「何をなすのか?」「ゴールはどこか?」を明確にできなければ、地域活性化を仕事にするのは難しいんですね。
地域活性化で稼ぐのは難しい
次は、「マネタイズ」について。
地域活性化に関わると言っても、ボランティアではないので、お金を稼げなければ活動を続けることはできません。
ですが、地域を絡めるとマネタイズするのは難しいんだそうです。
そういったこともあって、民間でがっつり「地域活性化」を事業にしているところは少ないのです。
稼ぐために自分のできること、強みを把握しておく
このように、地域貢献の仕事をするには「稼ぐ力」が必要なので、
個人でも稼げるように、以下の診断を受けて、「自分のできること」を理解しておくといいです。
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18のタイプから自分の性格を診断してもらえます。
僕は、「独創性」「決断力」「挑戦心」「自己信頼」「親密性」の5つでした。これ、かなり当たってましたw
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— らふらく更新用@ブログで生活しています (@guppaon1) 2017年9月26日
僕は今、強みを生かす仕事をしていて、会社員時代の何倍も稼いでいます。
なので、稼げることを見つけるために、まず強みを知りましょう。
行政に入っても地域活性化の活動はできない
他だと、行政として地域に関わることを考える人もいるはず。たとえば、市役所、町役場に入るといった感じで。
でも、役所に入ったとしても、仕事は多岐に渡りますから、地域を盛り上げる仕事に関われるとは限らないんですよね。
また、地域おこし協力隊に関わるやり方もありますが、地域によって力の入れ具合に差があるので、これもまた難しいのです。
地域おこし協力隊も「手弁当で頑張ってください」から「住居、車、保険支給、活動に関わる費用や消耗品は予算範囲で全額支給」まで本当にピンキリだか..「「過疎地に若者を呼ぶにはまずそれだけのメリットを与えなければならない」という..」 https://t.co/iOU7nBjYqU
— ざぜん ||| 肉塊ぴょんぴょん待ち (@O_Flow) 2015, 10月 23
自治体ごと地域ごとに抱える問題・課題が違うので活動内容もさまざまな地域おこし協力隊。
自治体によって地域おこし協力隊に対する理解度に差があり待遇が違うことも事実ですが、協力隊一人では何もできないこともまた事実です。
— ほっこりさん (@banditsherpa) 2015, 10月 20
以下は、地域おこし協力隊を退任された方の投稿からの引用。
地域での困りごとを改善しよう
できれば解決しようという取組なんで、移住者にとっても受け入れ地域にとってもいい制度なんです。・・・とは言っても
上手くいくとは限らないところが人間の面白いところですよね。
●協力隊が起業するための自治体のサポート体制不足
●退任した後の就職・就業問題
●自治体と地域が望んでいる支援内容や人材のミスマッチ
●支援内容の方向性が不明確
●自治体や地域の協力隊に対する理解不足
●協力隊の受け入れ地域に対する理解不足
●協力隊の企画力不足などなど協力隊の経験者として感じたり、見聞きしたりした問題・課題はたくさんあると思っていますが、人が作った制度にさまざまな人が関わることなんで、完全なものになる訳がありませんよね。
このように行政として地域活性化に関わることにも問題点があるんです。
地域活性化はNPOでやるのがスマート
では、行政にかかわらず、民間でやるとしたらどうなるの?という話ですが、そうなると「特定非営利活動法人 土佐山アカデミー」のようにNPOでやるのがスタンダードになっています。
その際も、稼ぐことを考えるのは難しいんだとか。
まず何を商材にするか?、という話で「地方の資産を活用しよう」となるとします。例えば、地方に余っている空き家。
空き家の仲介は儲からないし、マネタイズが難しい
その活用を目指して、空き家を紹介する仲介業を行うとします。そこでの儲けは、仲介料。単価はよくて数万円でしょう。この安さはネックになります。さらに、申し込みの母数が少ないです。
こうしたことを考えると、事業として考えるのは現実的ではありません。仲介業というのは、需要の多い都会だからこそ成り立つんですね。数万円レベルの仲介料で事業を継続するには、圧倒的な母数が必要なんです。
これは仲介業に限らず、需要を考えると、事業の継続性は途端に「非現実的」になってしまうんです。
補助金に頼らず稼いでいく必要がある
このような難しさは、まちおこしのプロである木下さんの著書「稼ぐまちが地方を変える」でも語られています。
事業の持続可能性は、どの地域でも課題になっているようです。
補助金という〝麻薬〟がまちを壊していく
自ら稼いで事業に取り組むのではなく、行政に予算をつけてもらおうという発想。
しかし、一過性の予算をいくらもらったところで、そんなものは地域の将来には全くつながりません。
毎年補助金をもらってイベントを開催しても、空き店舗対策をやっても、どれも補助金が切れたら終わりです。
継続することにお金をかけよう
人のお金とアイデアをもとに、全く継続しないことに労力をかけていたら、地域がますます衰退するのは当たり前と言えます。
これは商店街だけでなく、まちづくりと呼ばれる地域に関わるあらゆる分野に言えることです。
いかに補助金に頼らず、自らの事業で利益を生み出すか。みんなの話を聞くよりも自分で考える。
誰かにやってもらうのではなく、自分で会社をつくって事業を立ち上げる。
このように、行政、民間共に長期的に継続できる事業で稼いでいくことは難しいんですね。
なので、「地域活性化の仕事」を本業にするのは、非常にレベルの高いことなんです。
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「片手間」で地域活性化に取り組む
そこで考えたいのが、副業として地域活性化に取り組むこと。
本業では稼げる仕事に就き、修行をしながらです。今なら、そんな働き方も可能ですからね。
戦後、高度経済成長期になると、分業化が進み、仕事を一つに絞ってフルタイムで働き続ける、という考え方が定着。
しかし、そうではないやり方が有効な分野も出てきていますし、何よりITを活用すれば、それ以外の仕事の進め方も十分可能になっています。
いい意味での「片手間」で関わろう
一つのことに打ち込むことも大切ですが、時間を効果的に活用し、
いくつかの仕事で成果をあげるという、いい意味の「片手間」の働き方をする人が増えると、地域活性化ももっと進むし、
社会の公共性も上がっていくように思います。
5人が片手間で2時間関われば、50時間を費やせる
一人の人が一週間フルタイムで働くとしても四〇時間。
五人が片手間で一日二時間ずつ時間を使ってくれるだけでも、五〇時間を費やせます。
しかもそれぞれの人がプロフェッショナルであるとすれば、
場合によっては一人がフルタイムでやるよりも、達成できることが何倍にも大きくなるかもしれません。
このように、各人がスキルを貸し出して、得意なことで地域に貢献するやり方もあるんです。
スキルのないまま地方に行っても邪魔になるだけ
特に、学生の場合は、いきなり地域に行って「地域貢献したいんです!働かせてください!」と言っても、邪魔者になるだけです。
なんのスキルもないのですから。
まずは企業に入って修行をして、スキルをつけながら地域に関わり、メドが立ってから、本業として地域活性化の活動を行えばいいんです。
これは、社会人も同じです
最初から地域活性化にがっつり関わる必要はないんです。
少しづつ関わって、イケそうなら本業にする、ダメそうなら「片手間コミット」のようにすればいいんです。
なので、地域活性化を仕事にしたいと考えていた方は、ゴールの設定、マネタイズの点で難しいことを知った上で、
まずは「片手間コミット」してみてください。
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民間企業で地域に関わる仕事をする方法も
また、上記のように田舎で事業を立ち上げなくても、民間企業で地域活性化の仕事をやるという方法もあります。
例えば、地域の起業家を生み出す取り組みをしている会社に入る、田舎に支社のある会社に入る、のように。
実際、株式会社SanSanでは徳島県の神山町に支社を作って、地域活性化に貢献しています。
なので、地方を元気にしたいと思っているなら、そういった求人を見つけてみましょう。
幅広い地域の求人をチェックする
その際は、求人サイト「リクナビNEXT」を使うと、たくさんの求人を見つけられます。
東京はもちろん、福岡、大阪のような中核地方都市、沖縄のような地域の求人が載っているので、チェックしておくと地方で活躍できる仕事を見つけられますよ。
求人をチェックしてみる>>リクナビNEXTのサイト
「地域活性化の仕事」の事例
なお、これまでの取材で地域活性化の仕事に取り組む方々の事例をみてきたので、そちらも共有しておきます。
地元をアニメで盛り上げる>>
「地元・福島に貢献したくてガイナックスのアニメーターになりました」21歳が語る”地方で働く”の現実
地方PRで現地を盛り上げる>>
地方じゃ稼げないはウソでした!熊本県・南小国町の移住者「収入増えて支出が減りました」
島根で地域を盛り上げる方も
公務員として地域移住者支援>>
家族で田舎暮らしをしたいなら移住支援に熱心な地域「島根県雲南市」へ!仕事も家も決まりやすいよ
NPOで地域に起業家を輩出>>
島根と岐阜で二地域居住者の事例が!実践&支援を行う若者に感想を聞いてきた
フリーランスとして地域に社交場を作る>>
地方でフリーデザイナーになるなら「上流〜下流」を知ろう!オールラウンダーな仕事をする人に話を聞いてきた
田舎でカフェ運営をされる方も
ITの世界から地域おこし協力隊へ>>
お金のために働くことに疑問を感じ、島根にUターン!カフェとNPOの兼業でステキな生活を送る女性に話を聞いてきた
移住者支援>>
京都の移住支援者が言うに「東京でつけたスキルは地方の仕事で輝く」
田舎でカフェを>>
移住後、田舎暮らしに失敗する人と成功する人の違いを聞いてきた
得意なことで地域貢献
商店街で何でも屋をやる>>
「地方移住ってクリエイティブっすよね?」と思ってたけど、リアルな話を聞いたら全然違った件
福岡での移住支援&福岡で起業した人>>
「地方移住支援は?仕事はあるの?若者でも大丈夫?」などの疑問に答えるイベントに参加してきました
>>東京から宮城にIターン転職!仙台に移住したメディア編集長に東北の暮らしや仕事状況を聞いてきた
関東の田舎で地域を盛り上げる事例も
>>イケダ氏より先に移住し月収100万円達成!千葉の田舎で活躍する89世代にリアルな話を聞いてきた
>>ゲストハウス経営と米作りで複業する25歳の移住者を発見!夢を叶えるコツを聞いてきたよ
>>「移住してブログPVが5倍に!」「1つの仕事で全部の稼ぎを作らなくてもいい」貴重な学びを #田舎シェアハウス で得られたよ
海外(アジア)で社会性のある地域貢献
>>「機械でもできるモノづくりはもうやめました」カンボジアで、かごブランドを立ち上げた女性が目指す世界とは?
>>「地方には仕事がない」じゃなくて「若者が就きたい仕事がない」に変わってきてるヤバさ
九州にU・Iターン起業して地域を盛り上げる
>>鹿児島でUターン起業した26歳と23歳コンビ「Web制作事業をアピールするために、まずは自社のサイトを本気で作りました」
>>地方で起業する方へ「地方は、どんな評判もすぐ広まる、シビアな環境だよ」
>>【田舎への移住者募集も】鹿児島県で地域おこし協力隊として仕事する若者に現地の支援などを聞いてきた
ではまた!(提供:らふらく^^(@TwinTKchan))