数年前から「情報革命」と叫ばれていますが、まだその余波は小さいです。しかし、その大きな転換期はきっと来ますので、今後到来する「革命」に備えて、必要な要素を知っておきましょう。
僕のような情報発信をナリワイにする方々は、もちろん必須の要素です。
これから起こる「情報革命」では何が起きる?
初音ミクはなぜ世界を変えたのか?という本の中に、面白い記述があり、今後の「情報革命」を予測する上で参考になりました。
(以降、著者である柴 那典氏がクリプトン・フューチャー・メディア(株)の伊藤氏に対して行ったインタビューの中からの引用)
伊藤氏:
『農業革命』『産業革命』『情報革命』という、第一、第二、第三の波がある。それぞれがものすごいインパクトを世の中に与えてきたわけです。
まず、約一万五千年前に起こったと言われる農業革命は、圧倒的に人間の生活スタイルを変えてしまった。それ以前は食べ物があるところに人間が移動して、狩猟をしたり、木の実を取ったりする生活をしていた。
そこから農耕生活に移った。地面に種を植えて穀物を育てて、計画的に食べ物を作るようになった。そうすると土地に定住するわけですよね。だから領土ができるし、そこを統治するためのヒエラルキーができていく。蓄えもできるようになるから『富』という概念が生まれていくわけです
伊藤氏:
さらに一八世紀から一九世紀にかけて起こったとされる産業革命によって、それ以前とそれ以後のライフスタイルが全く変わったわけですよね。それ以前と以後とでこれまた全く社会の様相が変わるわけです。
何が起こったかというと、まずは人口と富の爆発が起きた。文献によると、産業革命以前の人口は何千年もずっと変わらなかったらしいんです。富の総量も同じです。そこに産業革命のイノベーションが起こった。
運輸業が発達することによって、より安いところで作ってより高いところで売るということも地球規模で可能になった。貿易から従来以上の富が作れるようになり、富の総量が爆発的に増えた。
つまり、今後起こるであろう「情報革命」でも「第一、第二の革命で起きたようなイノベーションが起きる」と。そして「情報革命」が起きた際に求められる人物像も語られていました。
柴 那典氏:
今の教育システムは「産業革命以降の社会」に適した人材、つまり工場での大量生産に適した人材を育てるカリキュラムが支配的になっているということですね。そうではなく、「情報革命以降の社会」に適応した人間を増やしていくことに、社会の一つの活路がある。そこにクリエイティブの活性化が位置づけられる
「情報革命」が起きたら、「金銭=価値」という概念も変わるとも述べられているのです。
伊藤氏:
この先に音楽の原盤でお金を儲けることはたぶん難しくなっていくと思いますが、お金以外にも自分の生きがいを見つけることはできる。それだけでもやる意義があるのかなと思うんです。
そして、ここから先は単なる直感ですけれど、お金という概念がいつまで世の中の主流であり続けるかもわからないですからね。情報革命の行きつく先は、価値のパラダイムシフトだと思っていますから
この考え方には共感するばかりで、僕も「情報革命」によって時代が変わっていくと思います。それは、産業革命が起きていた当時と現在の状況を照らし合わせれば明らかなのです。
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産業革命を支えた3要素「技術」「労働力」「資本(お金)」
では、まず産業革命の時の状況を振り返ってみましょう。当時は機械化によって、人間が行っていた作業を機械が行うようになりました。それによって、効率が進んで生産性が高まり、モノが量産されていきました。
モノの量産によって機械という「①技術」、働き手という「②労働力」、機械と人間に払う対価「③資本(お金)」を持った「産業資産家」が力を持っていきました。では、この3要素を情報革命が起こりうる現代に置き換えてみましょう。
「①技術」はネット上に作品を公開するためのインフラ
まず、情報革命を支える要素として重要なのは「技術」です。これはインターネット上に自分の作品を公開するためのインフラと置き換える事ができます。
好きな事で飯を食うために利用したいWebサービス35選でも紹介したような作品を載せる場所の事ですね。
これは上記の記事でも書いているように、十分すぎるほど整っています。僕だったら、ブログ、商品を持っている人だったらネットショップといった感じです。
「②労働力」はコンテンツをつくるための働き手
「労働力」はコンテンツ作成に要する働き手です。Webメディアの場合だと、多くの書き手を抱えてコンテンツをつくっていった方が効率はいいわけですよね。
さらには、産業革命同様、機械つまりロボットにコンテンツをつくらせるやり方だってできるわけです。
参照:AP通信がニュース記事にロボット記者採用でライターは戦々恐々? – エキサイトニュース(1/2)
もちろん、僕のように1人を働き手とするやり方もアリですが、多くのコンテンツを抱えるために、働き手は多いに越した事はありません。
「③資本(お金)」は評価
産業革命で「資本」とされていた部分は、現代なら「評価」と置き換える事ができます。これこそ、伊藤氏の語っていた「価値のパラダイムシフト」です。
当時は資本を潤沢に使って、つくったもの(コンテンツ)を生産・流注させていました。しかし、いまネットコンテンツを流通させるのに必要なのは「評価」つまりTwitterなどSNSでのフォロワーなのです。
ブログを書いている人やネットショップを運営している方なら理解できるでしょう。自分たちのコンテンツを多くの人に届けるにはSNSでの拡散が非常に有効なのです。
そして、拡散させるためにはフォロワーが必要で、多くのフォロワーを獲得するには良質な情報を提供し続けて、評価してもらう必要があります。まさに、評価経済社会というわけです。
参照:個人クリエイターが食っていくには「高い評価」が欠かせない!評価経済社会のススメ
そして、紹介してきた3つの要素を持った人間がこれから力をつけていくでしょう。
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情報革命において力を持つ「情報資産家」
時代の流れから言って、今後「情報革命」が起こることは明らかです。既に情報革命は起きているという声も聞かれますが、まだまだです。実際、伊藤氏と柴氏も「過去2つの革命ほどインパクトはなく、情報革命は起きていない」という見方をしています。
大手求人サイトやIT系の求人を見ても、情報産業において、当時ほど求人が賑わっているわけではありませんしね。
それ故、これまで情報革命の波に乗ろうとしていなかった方はまだチャンスがあります。上記3つの要素を活用すれば、産業革命に力を持った「産業資産家」のように「情報資産家」として君臨することができるのですから。
ですので、これから「情報革命」のインパクトを信じて情報発信を仕事にしていきたい方は、3つの要素を活用できるよう取り組んでみてください。その際は以下の記事を参照すると良いですよ。
参照:個人として発信力を高めたいあなたが読むべき記事8選
参照:社会人が職に困らないために身につけるべきは「発信力」だよねという話
僕も「情報資産家」を目指していきますので、みなさんも頑張ってください。
ではまた!