努力は必ず報われるのか?それとも報われないのか?

「努力は必ず報われるんだから、ちゃんと努力をしなさい」という言葉が好きではありません。努力だけではどうにもならない問題もあるし、成功にはそれ以外の要素も必要だからです。

AKB48をプロデュースした秋元康さんも「努力よりも運が重要」と語っています。ということで、努力の重要性について、秋元康さんの著書「企画脳 (PHP文庫)」を元に考えていきましょう。

努力は報われるかもしれないが、運をバカにしてはいけない

努力の方向性を知る

仕事でいい結果を出すには、運の要素が非常に大きいと思うのです。秋元康さんもこのように語っています。

成功は98%の運と、1%の才能と、1%の汗なのではないか」。

世の中には、たとえ今売れていなくても、僕よりももっと才能がある作詞家がいるし、優秀な放送作家もいる。

そんな中で僕がここまで来られたのは、人との「出会い」だったと思うのだ。どんなビジネスも、結局は人が運んできて、人との出会いの中で生まれてくるのである

出会いがいつ起こるかは、「運」に握られている。どんな人とめぐり逢うかも「運」によって左右される。

僕は、「運」がこの世を支配しているのではないか、と思うのだ

秋元さんが語る「人」を仕事に当てはめると、プロジェクトの「チームメンバー」に該当します。

みなさんも経験上、これがチームの結果や大きく影響してくることがわかりますよね。

チームのメンバーが優秀であれば、自分がそれほど努力をせずともチームとして良い結果を得られます。

有名なゲームタイトルに関わっただけの人

このように、運良くチームの実績に乗っかれば、転職市場では(入社前までは)評価される人材になれるのです。

僕は、ソーシャルゲーム開発会社のエンジニアだったのですが、たまに「あの有名ゲームに関わってました」という人で、「え、まじで?」みたいな人に遭遇することがありました。

この場合は、まさに上記のパターンで、自分はそれほど努力せずとも、運良くチームメンバーが優秀だったので、実績として「有名ゲーム運営をやってました」を残せるのです。

このように、人に恵まれて実績を得ることって他のゲームでもあるんですよ。同じ職種でもその人より優秀な人はたくさんいるにも関わらず。

これって、本人の努力だけじゃどうしようもない問題ですよね。

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大企業とベンチャーでは同じ努力で得られる結果に差が出る

「人」以外だと、所属する会社も結果を左右する大きな要因となります。大企業であれば、潤沢なリソースを使ってベンチャーにはできないような仕事に取り組む事ができます。

また、有名企業というブランドもあり、消費者や企業(取引先)にも信頼されやすく、仕事がしやすくなる、運営がしやすくなるという面もあります。

逆にベンチャーでは、大手の資金力(広告費、投資)には勝てず、不利な状況で戦わなければなりません。

このように、どんなチームにいるか、どんな会社に所属しているかという要素によって、同じ能力を持っている2人(Aさん、Bさん)がいたとしても、それぞれが出せる実績は変わってくるんですよ。

同じ能力でも環境によって出せる成果が変わってしまう

例えば、ベンチャーに所属するAさん、大企業に所属するBさんはそれぞれ100(わかりやすいように努力を数値化)の努力をしたとします。

しかし、Bさんの方が環境が優れていますから、出せる実績、転職市場で語れる実績はBさんの方が作りやすくなるわけです。

このように、能力と努力の量が同じだとしても、それ以外の要素で報われ方が変わってくるわけですね。

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3つ目の努力以外で大事な要素「適正」

あと、「適正」も「報われるかどうか」に関わってきます。ぼくは、学生時代の部活や勉強でこれで苦い思いをしてきました。

向いていない所で努力をしても、才能のある人には勝てないのです。才能がある人はちょっとの努力でぼくの何倍も先に進んでいたんですよ。

これは、受験勉強の物理、数学、部活の野球でそうでしたね。

関連記事:向いてない仕事よりも自分に向いてる仕事をやりましょう

向いている分野を見つけてそこで戦う

才能がない(向いていない)分野における努力はあまり効率的ではありません。向いてないなら、その分野で努力するよりも諦めた方がいいんですよ。

それは為末選手の考えからも読み取れます。

努力こそが勝利への道。そう考え続けてきましたが、才能や運が占める比率が高いと感じ始めました。どれだけ努力しても勝てない選手がいる。

努力を努力と思えずやれる分野を見つける

そうやって向いている分野を見極めて「努力を努力と思えずにやれること」って大事です。

これは、所ジョージさんと千原ジュニアさんも語っていたこと。

関連記事:所ジョージさんの名言「苦労とか努力っていう人はたぶん才能ないんだと思う」から考える諦めの重要性

以下は、千原ジュニアさんの言葉。

「人を常に笑わせないといけないって、大変じゃないですか?」と訊かれても、やっぱり、別に大変だとは思わないですね。

失敗するし反省する事はありますけど、そこで大変だと感じるなら、向いてないってことじゃないですか?

それは、芸人以外のどの仕事でも同じ。

反省したり失敗した時に、大変だと思ったり、メゲて仕事が手につかなくなる。それは、その仕事が向いてないってことだと僕は思う

どんな悪い状況になったとしても、その仕事の事をどこかで面白がっていられるかどうか。それが大事なんです

このように、努力する分野の見極めも「報われるか?」を考える際は意識しないといけないのです。

努力の仕方を間違えている場合もある

あと、「今でしょ」の林先生がテレビで言ってて印象的だったのが、「努力の仕方、方向性が正しくないと努力は報われない」ということ。

これ、その通りで、極端な話を出すと、将来サッカー日本代表になりたい人が、ウイイレをひたすらやりこんだって(努力したって)、なんの意味もないわけですよ。

そうでなく、ひたすらサッカーをしてボールを蹴って、基礎体力もつけなければならない。そういった努力が必要なんです。

これは極端な例でしたが、努力の仕方、方向性を間違えないことも「努力して報われる」ためには必要なのです。

もちろん努力が足りない場合もある(努力は必要条件)

もちろん、「努力は報われない」と言っている人の中には努力が足りない人もいます。

ブログ運営3ヶ月くらいで「ブログで稼ぐのって無理ゲーじゃねーか!やめる!」って言ってる人は明らかに努力が足りません。

努力は報われるための必要条件です。

努力は報われるのか?を必要条件から説明する図

必要十分条件ではないので、努力すれば必ずそれが報われるわけではないんですよ。

「成功した人は、すべて努力している」という話

それは以下の言葉が示す通り。

努力した者が全て報われるとは限らん。しかし、成功した者は皆すべからく努力しておる

これは、漫画「はじめの一歩」に出てくる言葉。

このように、努力は成功のために必須なので、もちろんこれはやらないとねというお話でした。

なので、努力が報われるために、紹介してきた要素「チームメンバー、所属する組織、適正、努力の方向性」を意識してみてください。

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