ブロガーのように情報配信をして生きている人間として、ロイター通信の歴史から重要な事を学ぶ事ができました。メディアの転換期となっている今こそ歴史から未来予測していくべきだと思うのです。
ロイター通信社の創設者の物語
世界的に有名なロイター通信社。
「ニュースの商人 ロイター」では、この会社の歴史を知る事ができます。創設者「ユーリウス・ロイター」を中心に描かれているのです。
1代でロイター通信社を大きく成長させたユーリウス・ロイター氏の生き方が、ブロガーとしてためになったので、メモがてら紹介していきます。
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何よりも人柄が素晴らしい
ユーリウス・ロイター氏が成功した最大の要因は、その人柄です。
ロイター氏は変わり者でして、色んな有名人のもとを突然訪れちゃうような人だったんですね。それでも訪問先では、かわいがられるほど素晴らしい人柄を持っていたのです。
青年時代、ロイター氏は有名な数学者ガウス氏のもとを訪れています。2人が知り合ったのは、ガウス氏の為替相場の計算ミスをロイター氏が指摘して、それをガウス氏が認めてロイター氏の才能を賞賛したのが始まりのようです。
ロイターはガウスの目に好感の持てる青年として映ったらしく、ガウス邸にしばしば出入りしていたようだ。
ロイター氏の人柄エピソードはこれだけではありません。
当時、伝書鳩のニュース配信に注目していたロイター氏は伝書鳩を調達するためにゲラー氏にコンタクトをとります。
ロイターが最初にゲラーの前に現れた時の姿はと言うと、インテリ風には見えるものの、どう見ても金に縁のない人物だと思ったようだが、話し込んでいるうちに誠実な人柄に惚れ込んでしまった。
まもなく、ロイターはここから最初の速報サービスを開始する事になるが、その機敏な働きぶりにゲラーはすっかり心服し、ロイターが事務所を開くにあたっては賃貸契約の保証人になっている。
ロイターから伝書鳩による速報計画を打ち明けられたゲラーは二つ返事で必要な伝書鳩四十四羽を調達する事に同意すると共に、自分も積極的に協力する事を約束した。
さらに、ロイター通信社のニュースの流通網を拡大するために、当時、力を持っていた「モーニング・アドバータイザー」編集長ジェームズ・グラント氏に会った際もその人柄が活躍しました。
虚飾のない率直さが生地として透けて見える彼の人柄こそが、グラント編集長に好感を抱かせ、魅了した最大の理由だったといってよかろう。それにしても、グラントの返答一つでロイターの通信社構想は蜃気楼と化していたかもしれないが、ロイター通信社無しの大英帝国を想像するのは容易な事ではない。
このようにロイター氏は持ち前の人柄の良さで数多くのチャンスをものにしてきました。
こうした例からも成功を収めるには、スキルではない人間臭い面が非常に重要である事がわかります。色んな成功者の話を聞いていると、人柄の中でも特に「かわいがられ力」、「愛され力」が重要なのかなと思っています。サバンナ高橋さんや有吉さんもそのタイプですしね。
ライティングなどスキルも大事なのですが、ブロガーというのは思っている以上に人とのつながりが重要な仕事です。ですので、ロイター氏のようにパーソナルな部分を磨いていく必要があると感じました。
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新しい技術へのアンテナが敏感
ロイター氏が成功を収めたもう1つの要因として「新しい技術への情報感度の高さ」があります。彼は都度、アンテナを張り、情報伝達に必要な新しい技術を先駆けて取り入れていきました。
先ほど紹介したガウスの例もそうです。
ガウスは当時、ヨーロッパで画期的な通信手段として開発されつつあった”テレグラフ”の研究に没頭していた。
外国の為替相場をより早くキャッチする方法を真剣に模索していたロイターにとって、テレグラフの開発はまさに、願ってもない耳寄りな情報であった。当時ロイターがこの新しい通信方法の原理から実用性に至るまで十分なデータを集めたとしても不思議ではない。
このように、ロイター氏はその時代にあった技術を積極的に取り入れようとしていたのです。
さらに、電信線を利用したケースでもその情報感度の高さが発揮されました。
ロイターも、各国の経済ニュースを中心に取材するという経営実験のために、電信線を重視していた。
パリでロイターが体得した事、それは、”速報は必ず売れる”という確信と、売るためには通信手段の日進月歩の発達、つまりトップ・サイエンス技術から目を話してはならないという教訓だった。
他にも、先ほど紹介した伝書鳩や、その後に利用される海底電線など新しい技術にアンテナを張ってそれらを導入していきました。こうした姿勢が彼の成功を支えていたのです。
ブロガーもこのように新しいテクノロジーに対して敏感にならなければなりませせん。これまではGoogleの検索エンジンに最適化していく事が重要でしたが、ソーシャルメディアの台頭により、いかに感情を揺さぶってシェアされるかも重要になってきたのです。それがいま流行のバイラルメディアな訳です。
さらに、今後はGunosyやSmartnewsVingowなどのニュースキュレーションアプリによる情報収集がユーザーにとっての当たり前になるでしょう。その際、こうした新たなテクノロジーをどのように使っていくべきかを考え、上手く利用していく必要があります。
おそらく、このままGoogle検索を信頼してキュレーションアプリに掲載されるメディアへの転載を恐れていたら、ロイター氏のような成功は上げられないでしょう。ですので、僕はロイター氏を見習ってこうした技術を積極的に受け入れてガンガン転載していく予定です。
様々な苦難を乗り越えてきた
一見、順調に成功を収めてきたかに見えるロイター氏ですが、その道程では様々な苦難がありました。
師匠であるアバス氏の元を離れ、独立した際は、廃業して夫婦で夜逃げも経験しているのです。
ロイター夫婦は夏までに何とか頑張ったが、それでも夏の終わりには遂に力つきて廃業を決意し、ある日の事、二人は密かに姿を消した。
それは”夜逃げ”と変わらない、いまでいう”蒸発”であった。
ロイターが蒸発したのは、仕事が思うように行かなかった事が大きな原因であるのはもちろんだが、同時に回復されてまだ間もない言論の自由が、早くも政府によって再び奪い取られかねない雲行きになって、自由を求めてやってきたロイターのような外国人移住者達を失望させたという事実もまた見逃す事はできない。
ロイター氏はこうした事業の失敗、外部環境の変化などの苦難を何度も経験します。その度に彼は持ち前のストイックさで苦難を乗り越えていきます。時には、ライバルから嫌がらせされる事もありました。しかし、彼は歯を食いしばって事態を好転させようとしてきたのです。
ブログも同じ姿勢で取り組む必要があります。
ブログを運営していると、プラットフォームの仕様変更、批判など様々な問題にぶち当たります。しかし、その度にくじけているヒマはないのです。
ロイター氏のように、そうした苦難を乗り越えていく必要があります。乗り越えるのは簡単ではありません。しかし、これからはロイター氏の姿勢を支えにして苦難を乗り越えていこうと本書を読んで思えるようになりました。
偉人の失敗例というのは本当に励みになりますね。
まとめ
ブロガーなら、ニュースの商人ロイターから学べる事はたくさんあります。特に、人柄、テクノロジーへの情報感度、苦難に対する姿勢は本当に勉強になりました。
ブロガーのように情報配信を生業とするあなたにオススメしたい本です。
結構骨太ですが、勉強になりますので、ぜひ読んでみてください!
それでは!