電子書籍「ホリエモンとオタキングが、カネに執着するおまえの生き方を変えてやる!」で語られていたコンテンツに対する考え方、今後のクリエイターの戦い方が面白かったです。
クリエイターなら、今後うまく稼いでいくためにも見ておきましょう。
社員が給料を払う「exシステム」が面白い
オタキングこと岡田斗司夫さんが作り上げた「exシステム」が画期的で斬新なんです。
その仕組みは、社員が社長である岡田さんに給料を払うというもの。
この仕組みを作り上げるにあたって、岡田さんはノーギャラで仕事をするという異端な事も実践しています。
いまのぼくは本の印税だけじゃなくて、講演やテレビの出演料も全部ノーギャラです。
じゃあ、どうやってぼくは食べているのかということですが、社員に食わせてもらっています。普通の会社では、社長が社員に給料を払いますよね。でも、オタキングexでは、「社長」であるぼくに「社員」が給料を払う。
その代わり、ぼくの仕事のギャラは全部タダにする。作ったコンテンツをタダで発表します。要するに、岡田斗司夫というコンテンツを無料化して、大勢に届けるための組織です
本は年間12万円を払ったメンバーとぼくが一緒に書いています。つまり、学校であるのと同時に、会社と同じように本当の仕事をしています。メンバーは年間12万円でぼくと一緒に仕事をする権利を買っているわけです。
自分をフリーにして拡張するということで、ぼくはこの仕組みを「exシステム」と名付けました
「一緒に仕事をする権利」と語られているように「exシステム」のもとで働く社員は、岡田さんと一緒に働いている自分という誉れ感にお金を払っているのですね。
これはブログにて語ってきたドヤ感に近いものがあると思います。
「Facebookで賢そうな記事をシェアしている俺」や「オシャレなカフェで優雅に過ごしている私」のような。
参照:バイラルメディアとFacebookの感動話をバズらせているものは何か?
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コンテンツが無料になれば作り手の収入は安定する?
さらに興味深かったのが、コンテンツに対する考え方です。
ブログで僕はコンテンツが無料に向かう流れについて色々と書いてきたので、岡田さんのコンテンツに対する考えは参考になりました。
参照:ネットコンテンツはこのまま無料に向かうのが正しいのか?
「良いコンテンツほど無料に向かう」というのは目から鱗でした。
いいものって、だいたいタダになるじゃないですか?
例えば、映画。映画館で上映されている映画には、おもしろい作品もあれば、つまらない作品もある。本当におもしろい作品は地上波でタダで放映されるでしょ?値打ちがあるものは結局タダになるんですが、最近はタダになるまでの期間がどんどん短くなっている。ジブリの映画なんて、映画館で上映されてから1年くらいでテレビ放送されますよね。
人気がない作品はいつまでも高いまま。コレクター向けのボックスでしか販売されなかったりする
コンテンツが無料に向かうのは避けられない。
むしろ、良質なものほど無料になると。
では、作り手はどうやって稼いでいけば良いのでしょうか。
その問題を解決するために利用するのが「exシステム」なのです。
コンテンツを売って暮らそうとしたら、日銭で右往左往しなければいけません。自分が書いた本が売れるかどうかで、一喜一憂することになります。1冊1500円の本なら、1万部売れたら著者印税は150万円くらい。
でも1万部売れたら、そのうちの5パーセント、500人くらいはぼくの考え方をおもしろいと思ってファンになってくれるんですよ。そういうファンのさらに5パーセント、25人くらいがオタキングexの「社員」になってくれれば、300万円の売上が立つことになります。
1冊の本を出して150万円を稼ぐより、こちらのほうがずっと経営として安定しています
いくら良いものをつくれるクリエイターでも売れるか売れないかは市場の評価に任せなければいけません。
つまり、常に売れるかハラハラしていなければならないのです。
しかし、「exシステム」を利用して一部の熱量の高いファンから定額収入を貰えば、そんなハラハラからも開放されます。
この定額収入が、今後クリエイターの新たな稼ぎ方になっていくのだと思います。
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バンドにこそハマる「exシステム」
そして、この「exシステム」をうまく活用できそうなのが「バンド」とのことでした。
ぼくがFREEexの話をすると、すぐに飛びついてくるのがビジュアル系バンドのファンのひとです。いまだと、ファンが払っているお金が、バンドのメンバーには届きにくい仕組みになっています。ファンがライブのチケットを買っても、ライブハウスが半分以上持っていってしまう。
バンドの収入源はグッズ販売になってきていますが、そのグッズにしても儲かっているのはグッズを作っているところでしょう。それなら直接バンドのメンバーにお金を渡したほうがいいとファンクラブに入っても、やっぱりファンクラブの運営団体が半分以上お金を持っていってしまう。
だったら、そのバンドをFREEexの仕組みで完全に支えてあげたほうがいい。バンドはライブを無料で開催して、音源も無料で公開する。そうすれば、これまでより多くのひとがそのバンドの曲を聴くようになって、さらにファンを増やせるでしょう
バンドのCDを購入するファンは純粋に彼らの音楽を楽しみたいという動機があります。そして、そこには「彼らにファンとして貢献したい」という気持ちもあるはずです。
ですので、深くバンドに貢献してくれようとしているファンからは直接バンドにお金を渡してもらった方がいいわけです。
そこで「exシステム」を活用していけばいいのかなと思いました。
結局はどれだけ熱量の高いファンを増やせるか
岡田さんの考えからもわかるようにコンテンツは間違いなく無料になり、とにかく拡散させるという流れになります。
コンテンツ自体から得られるお金はなくなります。
しかし、そうなっても熱量の高いファンがいれば大丈夫です。
「exシステム」を利用して自分に対して投資してもらえば良いのですから。
今後はこうしたモデルを築くために、「いかにロイヤリティの高いファンになってもらえるか」というソーシャルゲーム運営の発想が求められます。
この流れに取り残されないよう、戦略を考えていく必要がありますね。
参照:ソーシャルゲームがもたらした恩恵がWebメディアやクリエイターを救う
本当に面白い本でした。
今回紹介しきれなかった分は別記事で書いていきます。
それでは!
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