この記事では、ベンチャー転職を目指すあなたに、転職で失敗しないために知っておくべきベンチャーのリスク、メリットを紹介します。
突然ですが、この文章を読んでいるあなたはいま、大企業か伝統ある中小企業に所属し、社内制度の整った環境にいることでしょう。
そんな恵まれた生活を送っているのに、ベンチャーに転職したいのですから、よっぽどな理由があるはずです。
例えば、「大企業で働くのが平凡だからベンチャーで刺激ある仕事がしたい」「上司が無能だからもっと優秀な人がいそうなベンチャーに行きたい」「もっと自由にやれる環境を探したい」など。
しかし、それはベンチャーの実態を理解した上で考えたことでしょうか?
イメージだけで、「ベンチャーなら自由に仕事ができる」なんてことを考えていないでしょうか?
そんな風に思い込みだけで、ベンチャーに転職してしまうと後悔することになります。
実際、私は理想的なイメージをもってITベンチャーに就職し、後悔した人間です。私のようにならないためには、これから紹介するベンチャーの現実を知る必要があります。
そして、実情を知った上でもベンチャーに魅力を感じるのなら、転職すればいいと思います。ということで、まずは知っておくべき大企業、つまり今あなたがいる環境のメリットを紹介します。
1. 大企業のメリット
1-1. 待遇が良く、制度が整ってる
大企業で素晴らしいのは、待遇が良く、社内制度が整っていることです。
例えば、有休休暇の取得のしやすさなど。歴史のある大企業で働く友人から聞いて驚くのが、有休が絶対にとれること。
というか、上司に「とりなさい」と注意してもらえるらしいです。
このように、社員にしっかり休みを取らせて、長く働けるような環境を整えてくれているんですね。特に昔からある企業は、社員を家族同然と考え、居心地の良い職場を作ってくれています。
他だと、ボーナス、残業への厳しい目、家賃補助など社員のことを考えた制度があります。
大企業にいたら、こうした恩恵を受けられるんです。
1-2. 仕事量が少ない(仕事が細分化されている)
あまり仕事をしたくない人にとって、大企業は良い環境です。働く人数が多く、効率的に仕事が回るように分業が進んでいます。
例えば、営業、経理、企画、マーケティング、人事など役割ごとに仕事の範囲を狭めて、一人に負担が集中しないようにしているんです。
また、営業職種の中でも外回りに行く「営業」、それをサポートする「営業事務」と業務が分かれており、一人の仕事量はベンチャーに比べて少ないです。
また、与えられた仕事をこなしていれば、それなりに評価されます。
ベンチャーのように「仕事の一歩先」のようなものを求められないんですね。なので、ゆとりをもって働きたい方は大企業にとどまりましょう。
1-3. まったりしている
大企業は、あくせく働く感じがありません。イメージは、釣りバカ日誌の主人公(ハマちゃん)がいる会社です。
実際、私の知人も暇な時間にブログを更新したり、ネットサーフィンしたりしていると言っていました。笑
こんなこと、私がいたベンチャーじゃできなかったですよ。日々、仕事に追われ、それをこなすことで精一杯でしたから。
1-4. 成果も厳しく求められない
また、ベンチャーのように、厳しい成果を求められることは稀です。というか、大企業には仕事以外に人生の楽しみを見出し、なんとなく仕事をしている人が多いです。
ベンチャーのように仕事一筋な人はほとんどいないのです。
しかも、仕事ができなくても、年功序列である程度のポジションにはつけます。大企業で働く同世代の話だと、その会社では仕事ができない上司でも偉そうにしているそうです。
例え、彼より仕事ができる若手がいても、その人には従わなければいけないんですね。
このように、実力関係なく、それなりに偉くなれて成果も問われない大企業、人によっては素晴らしい環境なんですよね。
1-5. 人柄がよければクビにならない
仕事ができなくても、会社にい続けられるのも大企業のメリットです。
ベンチャーだと、ミスの多い人や成果を残せない人は会社に居づらくなってしまいます。周りも余裕がないので、その人に冷たくしてしまうんですよ。
仕事ができない人は周りのそうした姿勢に気づいて、休職か退職してしまうこともあります。
しかし大企業なら、できない人にもそれ相応の仕事を用意してくれるのです。なので、能力がなくてもなんとかやっていけるんですね。
さらに、その人が会社内で愛されていれば、笑って許されてしまいます。周りの雰囲気をよくする人間として評価されるんですね。
大企業は寛容なのです。
1-6. 潰れる心配が少ない
安定性も大企業のメリットです。
「大企業でも油断できない時代」という意見も聞きますが、なんだかんだ安定しています。東京電力のように、社会インフラを提供する会社だと、つぶれそうになっても国から支援してもらえますし。
また、ルネサス(半導体メーカー)のように、毎年赤字にもかかわらず、つぶれない会社があります。これも、国から支援されているからですね。(”産業の米”だから、潰せないそうです)
さらに、大企業の場合、赤字でも豊富な貯金がありますから、つぶれにくいのです。最近不調な家電メーカーが持ちこたえているのもそうした理由があるからです。
1-7. 社会的評価が高い
大企業にいるのであれば、社会的信頼の高さから、ローンを組みやすくなります。また、クレジットカードも簡単に作ることができます。
これは、フリーランスになって気づいたこと。
会社員であれば住宅ローンに限らず、賃貸で契約する際、非常に楽です。フリーランスだと、その身分を言っただけで入居不可になることもありますから。
また、大企業のブランドがあれば、モテます。特に男性。周りを見るとわかるでしょうが、電通や総合商社、有名メーカーの社員は合コンなどで人気ですよね。
さらに、地方出身者限定ですが、田舎では、自分の息子や孫のいる会社の自慢大会になります。
この際、息子や孫がいい会社にいれば、父や祖父は鼻が高いでしょう。バカらしいかもしれませんが、こうしたことも大事なんですね。
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2. 大企業のデメリット
ただし、大企業にもデメリットがあります。それは、以下の通り。
2-1. 理不尽なことに耐えなければいけない
ゆるく働ける分、理不尽な決まりにも耐えなければいけません。おかしいと思うことがあっても、ルールだからということで従わなければいけないんです。
例えば、稟議の通し方がそう。会社で決まった手順を踏まなければなりません。また、意思決定も遅く、決定をする際はいろんな人を通さなければなりません。
2-2. 面倒な人間関係、転勤はつらいよ
また、理不尽な人間関係にも耐えなければいけません。
例えば、上司が人間的にクズだとしても従わなければいけませんし、自分より明らかに能力が低くても、年功序列なので、彼より上のポジションにつけないのです。
さらに、出張や異動で全国へ飛ばされることもあります。
独身ならいいですが、結婚している場合は、単身赴任で家族と離ればなれ、もしくは転勤族になることになります。
2-3. 服装が不自由
大企業では規則もきっちりしているところがあるので、服装も選べません。
スーツが当たり前で、ベンチャーのように、ジーパンや短パンで通勤できません。真夏でも暑い思いをしてスーツを着なければいけないのです。
2-4. 自分の頑張りが反映されない
大企業であれば、自分がどれだけ頑張って成果を出したとしても、その貢献度は小さくなってしまいます。
1万人の組織における1人の貢献度と、10人の組織における貢献度では大きな差がありますよね。単純に比較すると、1/10000と1/10なのですから。その差、1000倍です。
こうなると、組織に貢献できているという気持ちが持てず、やりがいを感じにくくなります。
2-5. 採用が少ないから出戻りしにくい
また、大企業を一度出てしまったら、戻りにくいという問題もあります。
一度、ベンチャーに転職し、水が合わなくてまた戻りたくなっても、それはすごく難しいのです。理由は、大企業だと中途採用数が少ないから
大企業は、待遇の良さから新卒で入った社員がやめようとしません。なので、人が不足しづらく、途中から転職で入ってくる人をとる必要がないんですね。
このように、ベンチャーからの出戻りを考えても、大企業にはデメリットがあるのです。
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ベンチャーの規模による待遇の違いを知っておこう
大企業の説明が終わったところで、ベンチャーのメリット・デメリットも説明しておきたいところですが、その前に知っておいてほしいことがあります。
それは、ベンチャーといっても、創業年数、規模によって状況が変わるということです。
ベンチャーは、規模によって呼ばれ方が異なります。創業間もなく、社員も数人規模であれば、「スタートアップ」、社員が数百人以上、上場しているのであれば「メガベンチャー」と呼ばれます。
さらに、その中間が「(中堅)ベンチャー」と呼ばれるのです。
3つのベンチャーの特徴を理解しよう
そして、3つにはそれぞれ以下のような違いがあります
メガベンチャーであれば、社員も多く、経営資金も豊富ですから、待遇が良くなります。なので、給料もいいし、ベンチャーと言えど、経営が安定しています。
ここに該当するのは、サイバーエージェント、リクルート、DeNA、LINEといったところ。
スタートアップは不安定
一方、スタートアップは、創業間もないので、資金も少なく不安定です。潰れるリスクもありますし、給料も高くありません。
ここで働くとしたら、やりがいを求めるしかないのです。
ただし、スタートアップにもメリットはあります。それは、初期段階から関わることで、上場後に株式で儲けられる、ということ。
上場前に、株式をもたせてもらうことで、上場して株式市場で値段がついた後にそれを売却すれば、数億レベルのお金を手に入れることも可能なのです。
スタートアップには、一攫千金の夢もあるんです。
このように、3つは違った特徴があります。これらを理解していないと、転職後に後悔することになってしまうので、把握しておきましょう。
3. 中小ベンチャー企業のメリット
では、本題であるベンチャーのメリットを説明します。
3-1. 仕事好きにはもってこいな環境
ベンチャーだと、人手不足により、一人がやらなければいけない仕事が多いため、ガッツリ働きたい人にはいい環境です。
また、一人に任される仕事の責任も大きくなるので、大企業ではやらせてもらえないような業務も任せてもらえます。
中には、サークルノリで終電まで仕事をすることをメリットに感じる人もいます(若いベンチャーに多い)。これを「毎日が文化祭」と表現するベンチャーもあるくらいです。
このように、仕事で成長したい人や、仕事でやりがいを感じたい人にはもってこいの環境なんです。
3-2. 個性を許容してもらえる
さらに、個性をそのまま発揮できるのもベンチャーや、ゆるい中小企業のメリットです。大企業に入ると、やはりコンプライアンスなど決まりが厳しく、行動を制限されてしまいます。
しかし、ベンチャーならルールが緩いので、思った通りの行動を取れます。
僕がいた会社では、「上司にそんなこと言っちゃって大丈夫?」「新卒でそんな生意気でいいの?」みたいな人たちがいました。
大企業なら、上司からシメられるでしょうが、それが認められていたんですよ。なので、暴れまわりたい人にはベンチャーが合っています。
3-3. 若い人が多く、年配のめんどくさい人たちに接しなくて済む
ベンチャーで働いて、一番良かったのがこれ。ベンチャーは若い人が多いので、偉そうなおじさんにへこへこしなくてもいいです。
また、仕事への意識が高い人が集まっていて、尊敬できる人が多いです。なので、定時で仕事を終えて「おう、飲み行くぞ」みたいなことに巻き込まれずに済みます。
年齢層が若いこともあり、コミュニケーションもフランクです。社内なら、ゆるい敬語でOKなので、僕はすごく居心地が良かったです。
3-4. リスクを恐れず行動させてくれる環境がある
成熟していないベンチャーや中小企業なら、打倒・大企業ということで、負けないための挑戦をしています。保守でなく、革新を大事にしてくれる会社が多いです。
また、若手にも新規事業を任せてくれます。僕がいた会社では、新入社員に子会社を作ることを許可し、若手がアプリ開発をしていました。ベンチャーだと、こういうことがあるんですよ。
なので、常に、上を目指したい人、変化を求めたい人にはぴったりなのです。
4. 中小ベンチャーのデメリット
4-1. 仕事量が多い(忙しい)
人手が足りていないので、忙しいです。これは前述した通り。ベンチャーなら、定時上がりはあり得ません。僕は深夜2時まで仕事をしたことがありました。
残業や有休に対する意識も低いので、ゆとりを求める人には向きませんね。
4-2. 忙しすぎて病む人が多い
忙しさのせいで精神的にやんでしまう人が多いのもベンチャーの特徴です。新規サービスの立ち上げに関わる人たちは、特にです。
土日返上、平日も最悪泊まり込みなることもあります。僕の同期は、新規開発のチームに行き、忙しさから休職してしまいました。
1人は休職から復帰できましたが、やめてしまった人もいます。これは、同期に限りません。
仕事が忙しい会社では、マネジメントがうまくいかず、オーバーワークになってしまうことが多いのです。
4-3. 自分で稼がなければいけない
大企業と違って、入社したら定年までいれる環境ではありません。大企業のように、社員を養う余裕がありませんから、一人一人が稼ぐ感覚を持たなければいけないのです。
大企業にいれば、チーム単位が数十人になり、一人が手を抜いてもばれません。しかし、ベンチャーの場合、必要最低人数でチームを組みますから、サボることができないんですね。
さらに、最近、「ベストパフォーマンスを出せるチームメンバーは10人」というAmazonの説を信じて、組織を小さくしようとする経営者もいます。
なので、楽をして会社から給料をもらおうと思っている方は、こうした小さい組織で働くとしんどい思いをします。
ITベンチャーから大企業への転職は難しい
働く環境以外で、将来のキャリアでも大企業と中小企業、ベンチャーに違いがあります。
転職は、やはり大企業出身の方が有利なんです。大企業なら、大企業とベンチャー双方への転職が可能ですが、ベンチャーから大企業は転職するのが難しいです。
そういったリスクもあることは知っておきましょう。
一度ベンチャーに入ってしまったら、ベンチャーを渡り歩くしかなく、仕事中心の生活から抜け出すのは難しいのです。
転職で失敗しないためにITベンチャーの制度も把握しておく
ベンチャーだから成長できるという話がありますが、そんな事はないです。むしろ大企業こそ、お金や設備などリソースが十分あるので大きな事をやるための環境は整っています。
また、大企業は教育にもお金をかけてくれるので、社員であればベンチャーよりも充実した研修を受ける事ができます。
こうした大企業ゆえの特徴も知っておくと、転職での失敗は減るはずです。
転職では大企業とベンチャー双方のリスクを考える
どうでしょう?大企業の方が良い環境だと思いませんか。大企業はこれだけ優れているんですよ。
なので、転職を考えているなら、ITベンチャーだけでなく、大企業も選択肢に入れておきましょう。
そのために、大企業を調べる際は転職求人サイト「DODA」、ITベンチャーであれば「レバテックキャリア」を使っておくといいです。
参照:【評判・口コミ】社会人2年目で転職活動をした時にレバテックキャリアを使ったから感想書いとく
求人をネットだけで判断するのは危険
なお、求人はネット上で見ただけでは、良し悪しがわかりません。現場を見ているアドバイザーに聞かなければ意味がないんです。
なので、気になった会社の情報を聞くためにキャリアアドバイザーと面談しましょう。
やることは、サイトでの会員登録と面談日程の調整だけです。登録も数分で終わりますし、アドバイザーの連絡も早いです。良い環境を見つけるなら、使わないと損です。
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ではまた!