「サイトの売り上げは0円」「運営資金が残り数百円に」それでもローカルメディアを続ける意義とは?

ローカルメディアのつくり方」というイベントに行ってきました。

このイベントは、新潟県のローカルインタビューマガジン『LIFE-mag.』を編集・発行する小林弘樹さん、地域の特集も行っているWEBマガジン『灯台もと暮らし(以後、もとくら)』編集長の佐野知美さんに、業界内で話題の若手編集者・佐藤慶一さんがローカルメディアの実情を聞いていく、というもの。

語られた内容は非常に勉強になるので、メディア運営者は必ず見ておきましょう。手間をかけてメディア運営する意義について考えたくなるイベントでしたよ。

新潟出身のモデレーターとローカルメディア運営者が登壇

まずは、自己紹介。佐藤さんはモデレーターとしての登壇です。

参照:LIFE-mag.
参照:小林弘樹(@niigatalifemag)

参照:灯台もと暮らし
参照:Tomomi Sano(@tomomi_isano)

参照:メディアの輪郭
参照:佐藤慶一|Keiichi SATO(@k_sato_oo)

イベントでは、まず、それぞれのメディアの概要から語られていきました。

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新潟タウン誌は美容師と頑固なラーメン屋の紹介ばかりだと思っていた

まずは「LIFE-mag」の小林さん。メディアを立ち上げる前は、こんなことを思っていたそうです。

こんな背景があって、紙のローカルメディアを創刊したとのこと。

では、佐野さんはいかにして「もとくら」を立ち上げて行ったのでしょうか。

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流行を追うことに疲れた先が「足元にある暮らし」

こんな背景があったのですね。では、メディア立ち上げの動機がわかったところで具体的な話を聞いていきましょう。

印刷以外は全て一人で行うマッチョ運営

小林さんは紙に対する考え、佐野さんはWebに対して感じていることを語ってくれました。

もとくら「始まりはWebだが紙への展開も構想に」

「Web→紙をどう実現する?」「扉記事のようにワクワク感を煽る。予告を入れる。」

「もとくら」では、紙への展開のためにこんなことを意識しているんだとか。

LIFE-mag.では「新潟にいろんな生き方があることを伝えたい」

と、小林さんがLIFE-magへの思いを語ってくれたところで、佐藤さんから、ある質問が寄せられました。

わかりづらくても現地の人のニュアンスを残す

もとくらでは”こたつ記事”を作らない。常に一次コンテンツを

一方、もとくらでは以下のことを大事にしているんだとか。

若手編集者の疑問「なぜ日本語にこだわる?」への回答

佐藤さんが特徴的だと思ったのが、もとくらのカテゴリーだそうで。

参照:郷に入る

スケーター時代に読んだ雑誌がLIFE-magのきっかけに

ちなみに、小林さんは雑誌を作るとなったとき、必要なスキルをほぼ0から学んだそうです。

知らない地域(地方)の特集では「縁」を大事に

なお、東京の特集であれば、その限りでないようです。

地方の中でも地域差があったから特定地域に絞った

口座残高が数百円になり休刊へ

メディアを運営していく上で、こんな辛いこともあったそうです。

しかし、読者の声を支えにして、復活を目指したんだとか。

一次コンテンツ、自分達らしい言葉にこだわったものづくりを

他に、メディア運営でのこだわりも語られました。

あえて「こだわらない事にこだわる」

ちなみに、現在、1人で運営している「LIFE-mag」ですが、一緒にやってくれる人も募集中だそうです。

もとくらでの収益は0だが、まずは共感されるメディアに

有料ノート(1ヶ月1000円)に登録してくれている人は編集部の一員

地方から発信したい人にノウハウを提供したい

読み手とメディアのつながりの深さ「サイト>無料メルマガ>note>リアルイベント」を

「読み手側から支援窓口の提案も」「販売以外でのマネタイズも必要」

また、LIFE-magでは、読み手側から支援窓口の提案もあったそうです。

と、ここで前半戦が終了。休憩を挟んで後半へ。

話題は「特集」と「いま作っているコンテンツ」について。

想定できなかった有機的なつながりの発生に感動

後半戦の話は、両メディアの特徴である「特集」と作成中のコンテンツからスタート。

もとくら「新潟で”もういちど地元の魅力を知りたくて”をテーマにしたい」

一方、もとくらは特集とコンテンツ作りで以下の考えを持っているようです。

世代にウケるコンテンツをつくりたい

「土」と「風」に「火」と「女性」が足されると面白い

佐野さんからは、地方から生み出すコンテンツに関して、こんな面白いお話も。

小林さん「東京への憧れが新潟に移りつつある」

他に、ローカルメディア運営で、地域に対する考え方が変わったというお話も。これは、地方で活動する理由、今後の展望を語る場面で語られました。

地方で面白いことをやっている人は「外」に出て経験してきた人

佐渡の魅力をうまく編集できる人が足りてない

2人の地方への考えが語られたところで、なんと佐野さんから佐藤さんへ質問が。

佐渡の人は自分の地域を広めたがらないが、テレビで特集されると喜ぶ

佐藤さんは地元の佐渡をこんな風に捉えているようです。

佐藤さんの地方に対する考えもわかったところで、話は「受け手として見る他のメディア」に移りました。

受け手としてローカルメディアを見ると「キャレル」が面白い

参照:新潟で暮らす大人のための生活マガジン – 新潟の生活情報誌「月刊キャレル」

東京から発信するメディア、地元を発信するメディアとの共存を

佐野さんから、地元のメディア、地元から離れて発信するメディア間で考えを共有したいとのお話も。

と、こう語られたところで、トークイベントも終盤になり、参加者からの質問コーナーに移っていきました。

ファンを増やすには、読み手と会うことが大切

Web以外で拡散するから共感が生まれる

距離を縮めるよりも、現地に足を運んで寄り添うつもりで

地域コミュニティの外にいるからこそ見えてくるもの

メディアが報じない声を拾えた

参照:【徳島県神山町】メディアの神山町が全てじゃない―移住者と地元民の間の私―

参照:【島根県海士町】移住希望の若者よ「プレイヤーを目指せ。もうプランは十分だ」

2拠点以上に47拠点活動をやりたい

編集者だからこそ、外と中の橋渡しをしたい

ぶれてもいい!心を病まないように

信念にこだわり、感性は柔軟に

この質問でイベントのトークセッションは終了しました。

トークセッション終了後は懇親会へ

この後は会場で懇親会が開かれました。

懇親会では美味しい料理が振舞われましたよ。

イベント実況を見た人の感想

なお、僕の実況ツイートを見て、新潟で暮らす方がこんな反応を寄せてくれました。

地方では、誰かが始めることで賛同者がついてくる

僕の感想「これぞ健全なメディア運営だ!バイラルメディア達よ見ているか?」

イベントで印象に残ったのは、小林さんと佐野さんが一次コンテンツにこだわってメディア運営をしていること。

特に、佐野さんの言葉からは一次コンテンツの重要性がひしひしと伝わってきました。そして、僕は勝手にバイラルメディアのことを思い浮かべていました。

昨今、バイラルメディアの暴力的な運営が界隈で問題視されていました。中には、有名企業でも、グレーな運営がなされていたと聞きます。

参照:「Amebaライター報酬が500円らしいけど、適性価格っていくらなの?」「10万円です」by #ライター勉強会
参照:Amebaブロガーは独自ドメイン取得してWordPressでブログ書こうぜ!バイラルメディアの転載とかに巻き込まれないためにも

こうしたことを受け、そのバイラルメディア運営側は「健全なメディア運営をしていきます」とリリースを打ちました。しかし、ここで疑問に思ったのです。

「健全な運営が何かわかっているのかな?」と。

これは問題視されたメディアに限った話ではありません。運営元も明かさず、パクリ上等で暴走してきたバイラルメディア全てに当てはまります。

そして、そうしたメディアには、ぜひとも言いたいのです。「今回のイベントで語られた運営方針が健全なメディアを作るのだ」と。

このように健全に運営しているメディアから、多くの学びを得られる素敵なイベントとなった「ローカルメディアのつくり方」。本当に参加して良かったと思います。

ということで、今後もこうしたイベントが開催されることを願って、メディア運営の意義を考えながら、さよならしたいと思います。

ではまた!(提供:らふらく^^(@TwinTKchan)

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