真っ当にやっている人は本当に報われてほしいなあ、なんてことを旅館ビジネスの裏側を聞いて思いました。これから「ちゃんとしているいい人」が得をする社会になってほしいです。
人の役に立つ仕事がちゃんと評価されるといいですよね。
旅館業は儲からない
先日、旅館業に携わる方のお話を聞いて衝撃を受けました。旅館ってホントに儲かりにくい事業なんです。
理由は、運営コストがめちゃくちゃかかるから。
これは提供しているサービスを考えれば明らかで、旅館では以下の3つを主な提供サービスとしています。
1. 宿泊できること
2. 温泉に入れること
3. 食事ができること
「宿泊」については、部屋の掃除に加えて、冷暖房費、電気代などのコストがかかります。さらに、雪国の温泉では冬になると、灯油ストーブにかかるコストも発生しますから、バカにできない程のお金がかかるのです。
さらに、温泉を維持するのにも多くのコストがかかります。実際、源泉をしっかりと運用するためにたまげる程のコストがかかっているとのことでした。
そしてここに、食事提供でかかるコスト(食材など)がのしかかってきます。
1時間当たりの儲けが500円はさすがに厳しい
こうした状況で、13:00チェックインの翌日10:00チェックアウト(22時間利用)のプランを想定すると、1万2千円くらいの価格帯がデフォルトな訳です。単純計算で1時間当たり500円くらいしか儲からないんですよ。
スゴく安いですよね。
だからこそ、宿泊施設ビジネスとなると、食事提供や温泉のない素泊まり型に目が向けられるんです。言ってしまえば、数時間だけ休憩して数千円が支払われるホテルはめちゃくちゃ儲かるんです。回転率が高い訳ですから。
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まともにやっている人が儲けられないのはどうだろう?
こんな風に、温泉と食事付きの旅館サービスは大変なんです。僕は、地元が温泉街で身近にたくさんの温泉宿があったにもかかわらず、こうした背景があった事に気づけませんでした。
しかし、事実を知ると「真っ当にやっているサービスがもっと正当に評価されてもいいよね?」なんて事を思います。
しかも、こうした温泉宿。かわいそうな事に、過剰なサービスを求められる風潮があって、さらに質の高いサービスを提供する事を迫られています。仮に、サービスの質を上げたとしても受けとるお金は変えられないので、さらに大変になっていくでしょう。
提供側と供給側は意識を変えると、お互い幸せ
こんなおかしい話はないですよね。真っ当なことを真摯ににやっている人が、得をしないという。
ですので、これからは旅館側とお客さん側双方が意識を変えていく必要があります。
旅館側は、自分たちの提供するサービスに自信を持って、強気の価格設定をしたり、コストなど背景を提示して「自分たちはここまでしかやりません」と宣言してしまう。まさに、ニコニコ動画を運営するドワンゴが実践しているように。
参照:「ったく、しょうがねーヤツだ」と思われる事がサービス運営には必要だ
一方、僕たちお客さん側は旅館側に儲けのない事を理解して、もっと寛容にサービスを享受しませんか。
いつからでしょうか。サービスの良い所ではなく、悪い所に目がいくようになってしまったのは。
サービスを提供してくれる人も人間です。行き届かない部分だって、もちろんあります。それを理解した上でサービスを受けた方が満足度も上がるはずですので、もっと寛容に考えてみましょう。
1日1万円で温泉、おいしいご飯、楽しい体験ができることなんてなかなかありません。こうした事実を再認識した上で、これから旅館というサービスを見ていきたいですよね、なんてことを自戒を込めながら伝えたいと思った次第です。
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若旦那が「若人に地元に戻ってきてほしい」と考えている温泉を紹介したかったんです
ということで最後に、旅館に紐づけてどうしても紹介したかったステキな温泉旅館を紹介します。新潟県魚沼市にある「自在館」という温泉です。
こちらは、温泉に浸かって身体をメンテナンスできる「湯治」が評判でリッツカールトンを訪れるような方々も利用している宿です。リピーターも多く、首都圏から8割、関西方面、1割、地元1割といった比率で、遠方のお客さんに愛される程すばらしいサービスを提供しています。
参照:【新潟】湯治で身体を癒せる温泉宿「自在館」で充電してきた!俺、東京で消耗してたよ。。
さらに素敵なのが、若旦那の心意気。「地元を離れた人達に戻ってきてほしい」という思いを持って運営されているのです。僕と歳が2つしか変わらないのに、これだけ高尚なビジョンを掲げて取り組まれています。
他にも、社員に幸せになってほしいという思いで運営されているので、サービスだけでなく人にも魅力を感じられる旅館です。
ぜひともオススメしたい場所ですので、みなさんも訪れてみて下さい。
ではまた!(提供:らふらく^^)