去年あたりからずっと「日本でもSnaphatが流行る」と叫ばれていましたが、2014年はついにその通りになりそうです。2014年にSnapchatがくる理由を動画共有アプリ「Vine」を例に説明していきます。
[追記]2014年には来ませんでしたが、2016年来そうですね。いろいろ追記したので最後の方も読んでみてください。(2016年9月17日)Snapchatとは何か?
まずは、Snapchatの概要を知っていきましょう。
Snapchatは、写真や動画を1~10秒だけ共有するサービスで、海外で爆発的にヒットしました。そして、日本にもその波が少しづつきているのです。
ユーザーが送った写真は数秒しか見る事ができず、時間が来ると自動的に消去されてしまいます。
なお、スクリーンショットを撮ることができ、その行為は相手に通知されます。(友達同士の場合、自分の送った写真がスクショされると嬉しいんだとか。理由は面白いと評価してもらったことになるから)
いまの私たちには理解できないかもしれませんが、こういった文化が海外ではウケていて人気が爆発しています。特に、10代の間で使われていますね。
アクティブユーザーがTwitterを超えた
そのすごさを示すように、最近、1日のアクティブユーザー数がTwitterを抜いたそうです。Twitterのアクティブユーザー1億3600万人に対し、Snapchatは1億5000万人。
また、アプリ利用時間で、SnapchatがFacebookに続き2位になったという報道もあり、そのすごさが数字からも伝わってきます。
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投稿数は1日4億回
さらにSnapchat投稿数でも圧倒的です。なんと、1日の投稿数(スナップ数)が4億を越えているんですよ。ユーザーが熱量高くアプリを使っているんですね。
現在のfacebookやtwitterにおける投稿数を考えると、この数字のスゴさがわかります(私の場合、記事を配信しているため投稿数は多いですが、プライベート用アカウントは1日1回投稿すれば多い方)。
では、Snapchatの何が面白くてこれだけのユーザーに利用されているのでしょうか。
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気軽さがウケている
まず、「消えるので気軽に投稿できるという」ことがSnapchatの魅力。送った写真や動画が消えるため、投稿のハードルが他のSNSより下がるわけですよ。
現在の写真共有サービスではどうしても受信者側に写真が残ってしまうため、写真を加工したりして写真の質を上げようとしてしまいます。そのため、「投稿する」ことがハードルの高いものになっています。
また、最近だとLINEのやりとりが第三者に伝わってしまって話題になりましたよね。このように、ログが残ってしまうことも他のSNSでは問題なのです。
しかし、Snapchatは受信者側に写真が残りませんから、質を気にする事なくバンバン送る事ができます。
そのため、写真にかける手間よりも「写真を投稿する」という行為を楽しむことができるんです。まさに、LINEスタンプを送るように。
では、Snapchatの概要が分かった所で、日本でヒットすると思う理由を書いていきます。
日本でも話題になっているVine人気の秘密は…
Snapchatの気軽さは、日本の女子中高生の間で人気のある「Vine」に似ています。
ちなみに、Vineとは、6秒動画を共有するサービスで、2015年10月に公表されたたデータによると、月間2億人のユーザーがVineを使っています。
特に、10代はTwitterと一緒にVineやツイキャスもよく使っており、彼らの承認欲求を満たすためのツールになっています。
では、なぜVineが10代の間でウケているのかというとズバリ「気軽さ」です。
6秒という短さが魅力
まず、6秒という短さ。これにより、スキマ時間にいつでも楽しむことができます。例えば、通勤中、テレビCMの間といった感じで。
また、6秒という短い時間も投稿のハードルを下げてくれているのです。6秒なので、日常の何気ない風景をとればいいですし、「よし、撮るぞ」と意気込まずにポンポン投稿できます。
なお、最近だと、Vineの世界にもYouTuberのようなスターが登場していて、10代の若者がスターの投稿フォーマットを真似て投稿するようにもなっています。
こういった「気軽さが投稿のハードルを下げてくれる」というのはSnapchatに似ていますよね。
サービスのヒットは女子高生から
以上の要因があるため、日本の10代女子の間でSnapchat人気に火がつき、その後、他の年齢層にも広がっていき、海外同様のヒットアプリになるのではと思っているのです。
さらに、10代というのは投稿が「他人に見られている」という感覚が薄いため、気兼ねなく投稿します。リテラシーの面から考えても、女子中高生はバズの火付け役になりやすいのです。
また、最近話題になっているミックスチャンネル(ミクチャ)もそうした10代の特性をついてヒットしました。
なので、今年こそは日本でも流行ると思うんですよ。
芸能人も活用中
最近だと、日本の芸能人もスナップチャットを活用し始めています。人気なのは、ローラさんや小藪さんですね。
詳しくはこちらをどうぞ:見えた!Snapchat活用法!これは粘着性の高いツイキャスだ!メディアにとっては動画版スマートニュースになるぞ
このような芸能人の啓蒙により、スナップチャットの存在を知らなかった彼らのファンもアプリを使い出しているんですよ。
SNOWとの違いは?
この手のアプリだと、最近は「SNOW(スノー)」というものもあります。これは、韓国の企業が開発していて、こちらも日本の10代から支持されているアプリです。
中身は、スナップチャットとほぼ同じですが、1つ違う点があります。それは、LINEと連携して友達を追加できる点。
この機能があるため、僕はスナップチャットよりはSNOWの方が日本で流行ると思っています。スナップチャットを使ってみるとわかりますが、あれっと友達を追加するのが大変なんですよ。
追加するには、TwitterやInstagram(インスタグラム)でIDを書いてそれをアプリ内で入力してもらうか、URLをシェアしてそこから飛んでもらうか、2つの方法があるんですが、どちらもめんどくさい。
なので、僕もスナップチャットの友達はめちゃくちゃ少ないです。
一方、SNOWはLINEの友達情報を持ってくることができるため、簡単に友達を追加できるんですよ。アプリを使い始めて、すぐに友だちと写真のやりとりができるんです。
これは、すごく便利。
スナップチャットとSNOWでは用途が違う
と、ここまで「日本では、SNOWがスナップチャットの役割を果たす」と書いてきましたが、実情を聞いてみるとそうでもないみたいです。
10代の妹(大学生)に聞いたところ、スナップチャットとSNOWでは使う目的が違うらしいんですよ。
スナップチャットは、くだらない写真をやりとりするアプリ。SNOWは写真を加工して楽しむアプリなんだとか。そして、加工した写真はSNOW内でなく、インスタグラムやLINEでシェアするんだとか。
なので、この2つのアプリが互いにシェアを食い合うことはないのでは?と思っています。
SNOWはタレントがマーケティングで活用中
なお、スナップチャット同様、SNOWでもタレント(芸能人)が活用しています。その一例がこちら。
SNOWのストーリーで、BENIさんの新曲プロモーションやってた。たぶん、インスタのストーリーでも若年層に人気のモデルさんとかがこうやってPRで使うようになるはず。ストーリーのすごいところは数秒単位の動画をドンドン見ちゃうところ。 pic.twitter.com/B61GT6rQAs
— タクスズキ@プロブロガー (@TwinTKchan) 2016年8月7日
歌手のBENIさんが新曲のプロモーションでSNOWを使ってたんですよ。このように、タレントがマーケティングのツールとして使い始めているので、広告系のお仕事をされている方は、こうした動向もチェックしておくといいですね。
Snapchatのdiscoverも登場
なお、最近ではスナップチャットでdiscover(ディスカバー)という機能も始まりました。
これは、メディアが動画を配信できる機能。メッセージを送る画面の横に、discover専用の画面があり、そこに各メディアが動画を用意しています。
投稿で多いのは、記事の概要を動画にまとめて下の方に、記事に誘導するリンクを用意するというもの。
このように、動画で興味を引き、テキストを読んでもらうという流れは海外メディアが挑戦しており、成果も出てきているようです。
新聞社が将来の購読者を育てる事例も
その例が、海外のワシントンポスト。ここでは、10代向けにdiscoverで動画を配信し、紙面の記事をよませる取り組みをしています。
なんでも、discoverでの読了率は高いそうで、メディア側としても納得のいく成果が出ているようです。
ただし、discoverはTwitter、Facebookのように拡散性がないので、長期的な視点で利用しているといいます。
目標としては、10代に「ワシントンポスト」の刷り込みをして、5年後の読者になってもらうことを狙っているようです。
これは、ポカリスエットをアジアで無償提供し、「暑い日に汗をかいたらポカリスエット」と刷り込みをした大塚製薬の戦略と似ています。
このようにdiscoverを使って10代を将来のお客さんにするための取り組みをしている海外メディアもあるんです。
フライングで商品を発表するときにも有効
なお、discover以外にも企業はスナップチャットをマーケティングで活用しています。アディダスは、新商品の発表の場として活用しています。
時間を限定して、リーク情報を出したそうです。
「消えちゃう!ヤバい!」って感じでスクショ撮って、それをSNSで拡散する流れがあるのか。これ、フライデー系のメディアと相性よさそう。あと、Appleとかのリーク情報。
消えるからあえてリークする、アディダスのSnapchat戦略 https://t.co/QFPvfTKNCR
— タクスズキ@プロブロガー (@TwinTKchan) 2016年6月4日
また、期間限定など制約をつけてクーポンを配信するお店も。
日本でもブレイク間近、「Snapchat」企業の広告事例8選 https://t.co/CPSbsu4MPO
商品を食べてる写真を送ってクーポンをもらう。そのクーポンは数十秒で消えてしまうので、確実に来店しないと使えないらしい。 pic.twitter.com/8PqzmNGJQL
— タクスズキ@プロブロガー (@TwinTKchan) 2016年8月13日
フェスでの活用もありました。
フェスでシェアOKにすることで新たなマネタイズの手段になる。参加者の投稿を編集して動画にし、その中で広告を。この枠が売り切れたらしい。
スナップチャットが世界最大の音楽フェス会社と提携、広告枠は即完売(Forbes JAPAN) https://t.co/qBBzpt6mR5
— タクスズキ@プロブロガー (@TwinTKchan) 2016年6月11日
こちら、フェス絵を撮影&シェアOKにして、シェアされた映像を編集し、その動画の中に広告を入れたんだそうです。その枠が売り切れたとのことで、海外での注目度の高さがわかりますよね。
このような広告の流れは、日本にもきています。
「会社は学校じゃねぇんだよ!」の松村さんが新しい取り組みを。サイバーエージェントは社内youtuberがいたりと面白いことやってるんだよなぁ。
WAVEST、国内初のSnapchatの人気ユーザーネットワークを設立 https://t.co/nKURwy4D4J
— タクスズキ@プロブロガー (@TwinTKchan) 2016年5月31日
最近だと、サイバーZが国内初の広告配信を可能にしたなんて、ニュースもありましたから、これから日本でもお金が流れていくのでしょう。
アフィリエイトなど、お金も流れ始めている
また、お金が絡むのは企業だけではありません。個人にもお金が流れるようになっています。
スナチャにもアフィリエイトあるんだ>「商品を宣伝したインフルエンサーは売上の約15%を受け取れる」
Snapchatでのマネタイズを可能にした「エモティコード」:スクリーンショットコマースとは? https://t.co/7wweF3YHca
— タクスズキ@プロブロガー (@TwinTKchan) 2016年6月18日
投稿へのインセンティブも?>「ユーザーがコーラの投稿をしたら、ビューなどに応じて報酬を受け取れる」
Snapchatの特許「ユーザーとの広告売上シェア」は必然のアイデア https://t.co/i04Gs35RFQ
— タクスズキ@プロブロガー (@TwinTKchan) 2016年6月29日
最近だと、インフルエンサーがすごい額の報酬をもらっているようです。1投稿あたりウン万円もらってるなんて話も。
フィルターも広告に(LINEスタンプ的)
最後に、スナップチャットのフィルター機能にも触れておきます。こちら、写真や動画を加工できる機能なんですが、ここに企業の広告が入り始めているんですよ。
海外では、チョコレートメーカーが自社の商品のフィルター(ステッカー)を広告として出しているんです。
(スポンサードレンズと呼ばれるらしい)
このように、LINEスタンプのように企業のスポンサードアイテムがアプリ内で利用されていることは知っておくべきでしょう。
日本でもスナップチャットは金脈になりそう
このように、海外ではビジネス的な活用をされ始めており、その波も日本に来ています。
いまのユーザーは、10代などの若年層が中心ですが、芸能人の活用でママ世代にも広がっていくんじゃないだろうかな?と思っております。(アメブロ、インスタ的に)
なので、写真や動画が消えるスナップチャットにメディア関係者は注目しておくといいですよ。
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