作家兼ブロガーのはあちゅうさんの新著「かわいくおごられて気持ちよくおごる方法(#かわおご)」を読みました。内容もさることながら、読者を楽しませる工夫がすごいな、と思ったので紹介します。
本が売れないって言われてますけど、こういう工夫をしていけば、まだまだ売れそうですね。本に限らず、物作りをしている方は必見ですよ。
本を売りたいなら、ツマムだけも面白い要素を
驚いたのが、脚注。(※脚注とは、本とかWikiの最後にある参照文献とか補足をのせたやつ)
「かわおご」の中で「副音声として楽しんでください」とのことだったんですが、「副」じゃなく主音声としても楽しめる内容だったのです。
こんな感じで。
文章中にも散りばめられてます。
で、各章の末尾にある脚注を見ると、こんなことが書いてありますw
ヤバいですよねwこれを読むだけでも面白いんですよ。
こういった感じで、脚注が170個くらいありました。他にも紹介していきますね。淡々と。
スポンサーリンク
具体的にほめると、ツッコまれて会話が進みます
スポンサーリンク
日本酒に詳しい女子大生はたいていビッチ
食が適当な人は生き方も適当
写真がヘタな人は被写体に寄って撮るといい
サイゼにはメニューに載ってないワインがあり注文できる
35年ローンで家を建てたっていいじゃない
後半には、こんな章も。価値観を押し付けるのは良くないと学びましたよ。
「幸せの形は人それぞれで他人がとやかく言うことではないですよね」
なるほどなぁ。気をつけましょうね、イケダハヤトさん。東京で会社員として電車に揺られたって、豊洲のタワマンに住んだっていいじゃないですか。
他にも面白い脚注がたくさん。
《*74》異性に聞かれて困る質問ナンバーワン:「何歳に見える?」(著者調べ)
《*34》食事のクセは10歳を超えたらほとんど矯正されません(著者調べ)
ここまで書いたのって、あくまでサブで、メインにはもっと面白いこと書いてますからね。
しかも、恋愛の話かと思いきや、仕事で役立つ考え方、接待の方法、店選びまで書いてあって、いろんな属性の人にとって有益な本なのです。
素敵なお店の紹介も
さらに、巻末には素敵なお店が10軒くらい紹介されてるんですよ。これも参考になります。
ご飯を極めれば人生も極められる
ここまで、本のサブとなる部分を紹介してきましたが、締めも良かった。
人生を充実させたければ、一見無駄だと思う何かを、とことん追い求めていけばよいのかもしれません。
ご飯や恋愛は、「人生は無駄なものがあってこそ、面白い。むしろその無駄なものの中に醍醐味がある」という本質的なことを教えてくれているのです。
この本だって、読めばお金が儲かるわけでも、ダイエットがうまくいくわけでもなく、人生においては読まなくてもいい、無駄な本かもしれません。
けれど、その無駄を、この際とことん楽しんでやろうじゃないかと思ってくれる人には、楽しんでもらえる本だと思います
確かに、「食」と「人生」はリンクしてますよね。「食」にこだわってる人は、仕事もこだわるし成果を出す、ということを持論にしていこうと思います。
読んで二度オイシイ仕掛けが必要
はあちゅうさんの本を読んで感じたのは、「これから売れていくのは、多様な楽しみ方ができる本だな」ということ。
「かわいくおごられて気持ちよくおごる方法」って、メインとなる各章の文章を読んでも楽しめるんでしょうけど、僕みたいに副音声を楽しむこともできるんですよ。
二度オイシイというやつですね。しかも、副音声自体も、毒が効いているものや過激なもの、クスッとしてしまうものがたくさんあり、シェアしたくなってしまいます。
実際、こうやって書評記事を書いてしまっていますしね。
内容が似てしまうんだから、工夫をした方が売れるんじゃ?
このように、本の中に仕掛けを用意していくのって、これからの本作りで重要なんです。
近年、ほとんどの情報はネットで無料で手に入るため、本が売れなくなっています。(コンテンツは無料に近づいているなんてことも言われます)
しかし、そんな中でも売れる本は存在するんですよ。そのために必要なのが、今回のような脚注。
本の中でしか楽しめない仕掛けですね。だから、これからヒット作を生み出したい作家、編集者さんはこういった要素を入れていくといいんじゃないでしょうか。
ということで、皆さんも読んでみてください。
面白いっすよ。
ではまた!(提供:らふらく^^(@TwinTKchan))
次回予告@TwinTKchanさんをフォロー
「はあちゅう氏はポスト糸井重里さんなのかもしれない」