ドキドキのインターン初日を終えて、安堵していた僕は、あることが気になっていた。そう、同期として一緒に働くことになる彼の存在だ。
社員さんからは「MARCHの帰国子女」とだけ聞いていたから、めちゃくちゃイケててハイスペックな人物だと思っていた。自分みたいなイモ学生と話が合うのか、非常に不安だったのを覚えている。
そんな彼と2回目のインターンで遭遇することになるのだ。こりゃ、またドキドキの電車通勤になりそうだ。
同期が適当すぎてびびったw
今回も電車の中、渋谷駅を降りてからオフィスまでの道中は、ドキドキだった。「うまくしゃべれるか」「相手がリア充だったらどうしよう」などいろんなことを考えていた。
そして、オフィスに到着。執務室に入ると、初めて目にする人物がいた。おそらく彼が同期となるインターン生なのだろう。僕がドキドキしていると、社員であるIさんが彼を紹介してくれた。
パッと見た印象は普通だった。MARCHでかつ長期留学していた帰国子女とは思えぬほどに。これは、僕がイモ学生すぎて想像できないものを過剰に評価してしまっていたからだろう。
それにしても普通だった。だが、これが良かった。あまりにもキラキラしていて「昨日のパーティーでさあ」なんて話しかけられたら、どう対処しようと思っていたからだ。
そして、同期となるインターン生は自己紹介をしてくれた。名前はKというらしい。しゃべり方がなんとも今っぽく、いかにも若者という感じがした。当時の僕も若者であったはずだが、それをはるかに凌駕するほどの若者言葉っぷりだった。
おそらく、頭固めのおじさんであれば、ブチ切れていただろう。それくらい、話し方が軽くて適当な感じがした。そして、その適当さに安心感を覚えた。
「やりやすそうなパートナーだ、彼とならうまくやっていけそうだ」と感じていた。しかも、若者言葉なりにちゃんと敬語を使ってくれる。
相手は大学3年生、僕は大学院1年生だから、そうなるのが普通なんだろうが、それでも敬意を払ってくれることに嬉しさを覚えていた。(後でわかることだが、彼とはタメだったらしい。じゃあ、なんで敬語を使っていたかといえば、その理由は気が向いたら語ろうと思う)
相手の自己紹介が終わり、僕も自分のプロフィールを説明した。その後、社員さんから「仲良くしてね」との言葉があり、業務に移った。
Kは僕よりも2週間ほど早くインターンを始めたようで、作業がこなれていた。僕は、2日目だったので、わからない点は彼に聞くようにしていたのだが、その度に的確に回答してくれた。
話し方の適当さからは想像できないほどの誠実さだった。「絶対こいつ良いやつだろ」と、仲良くできそうな同期の存在に嬉しさを感じながら、作業を進めた。
作業を始めて、2時間ほどすると、社員Iさんが休憩に誘ってくれた。彼はタバコ休憩で定期的に外に出るのだそうだ。この辺は、スタートアップらしく、自分のタイミングで休憩を取れるようだった。
そして、僕たちもその休憩に同行することになった。Iさんは何かと、僕たち2人を気にかけてくれ、会社に馴染めるように面倒を見てくれた。
今回の休憩でも僕たちが仲良くなれるように、色々と話題を振ってくれた。後述するかもしれないが、この休憩時間がインターンの楽しみになっていくことになる。
そして、ここで休憩時間のコミュニケーションが仕事に良い影響を与える、ということを学ぶのであった。まさに、仕事がオフィスでなされるのではない、タバコ部屋でなされるのだ、という言葉通りに。(引用元不明)
こんな風にして、インターン2日目は終わり、同期のKとともに渋谷駅へ向かった。彼は神奈川に住んでいるらしく、湘南新宿線を利用するようだった。
この時、始めて湘南新宿線の理不尽なダイヤを聞き、僕はなんて恵まれた路線上で過ごしているのだろうと思ったことは今でも覚えている。
彼と別れた後、安心感とともにSONYのミュージックプレイヤーを聞きながら、千葉に帰った。その日、ぐっすりと眠れたのは言うまでもない。
来週の土曜日に続く。。(提供:らふらく^^(@TwinTKchan))
※ここで語られることはフィクションであり、実在の人物や団体などとは関係ありません。