電子書籍を売るための秘訣をプロ漫画家が語っていました。これから電子書籍を出そうと思っている方々は見ておきましょう。まさにネットの売れ方って感じです。
1巻を分割して100円で切り売りした方がユーザーは買いやすい
漫画家・鈴木みそ先生と小沢高広先生による共著『電子書籍で1000万円儲かる方法』の中で売れる電子書籍の特徴が語られていました。
電子書籍は分割した作品の方が売れるというのです。非常に面白かったので、その部分を紹介します。
鈴木 僕は、電子書籍の場合は薄くて安いほうが売れる可能性があると思う。もっと巻数を短く、一巻を5分割で100円ずつとかにしたほうが、ユーザー的には買いやすくなるんじゃないかな。実際は割高になったとしても
鈴木 まとめて読むと、その値段の高さのほうが気になってくるんですよね。そもそも、買った作品を最後まで読む人が全体の何パーセントいるかって問題でもあるんですけど。厚くなるほど完読してくれないわけですよ。
マンガの単行本も、巻が進むほど売れなくなるのと同じ理屈。だからできるだけ小さく分割したほうが、ネット向きなんだろうと思います
10ページどころか5ページ100円でも売れた
小沢 今は紙のコミックスの場合とほぼ同様の1冊単位で販売していることが多いんですが、以前に10ページ100円っていう単位で何冊か出してみたこともありました。あれは結構売れましたね。
鈴木 買いやすい値段、という問題もありますね。ワンコインみたいな感覚は、電子書籍を買う際にも成立して。僕がnoteで4~5ページのマンガを100円で売ると、結構買ってくれる人がいるわけですよ。
でも、単行本の電子書籍だと40倍の分量なのに300円は高いと言われることがあったりして
電子書籍は、200ページ程でしっかり作り上げて数百円で販売してもユーザーの反応は悪いとのこと。一方、数ページでもいいから100円と手頃な値段で販売すると売れるというのです。
100円単位で切り売りする事例も
現に、この性質を利用してオタキングこと岡田斗司夫さんは『ま、金ならあるし』を100円単位で切り売りしています。
こうした話は僕が共著させてもらった電子書籍『レールの外ってこんな景色』の売り上げを振り返った時も出ました。
スポンサーリンク
分割して一発目が売れたら、以降の分割作品もヒットする
共著メンバーによる忘年会の中で、「分割して安い値段で売っていたら、もう少し売れたかもしれない」というフィードバックを界隈の方に頂いたと聞きました。
仮に『レールの外ってこんな景色』を上・中・下巻と分割したとして、一発目にリリースした作品が売れていいレビューがついたら、順調に売れていたかもしれない、という話もありました。
実際、そうした事例は往々にしてあるそうです。
僕もKindleコミックセールにて99円で購入した漫画が面白ければ、それ以降の巻を定価で買ってますし、納得がいきます。
つまみ読みされるネットだからこそ分割が重要
しかも、鈴木みそ先生の「できるだけ小さく分割したほうが、ネット向き」という言葉からもわかるように、スマホで読むインターネット作品はつまみ読みされる事が多いです。
参照:「ノンリニア」から考えたWebでウケる文章と読み手のわがままな姿勢 → 田端 信太郎著「MEDIA MAKERS」
そうした事を考えると、読み手が長過ぎる作品を好まず、分割されたものを好むのも納得できます。
ですので、これから電子書籍を出そうと思っている方は、そのままの分量で出すのではなく、分割して出してみてはいかがでしょうか。それを100円単位で販売する方が売れるという事例もありますし。
鈴木みそ先生のように1000万円くらい儲けるためにも考えてみて下さい。
なお、本書では他にも「表紙の文字と巻数の数字を大きく、表紙の色味をなるべく同系色で揃える」など、電子書籍をヒットさせるためのテクニックが語られていますので、興味のある方は読んでみて下さい。
ではまた!(提供:らふらく^^)