『電子書籍で1000万円儲かる方法』という本を読みました。内容は、漫画家である鈴木みそ先生と小沢高広先生が「クリエイター側から見た電子書籍の行方」を語っていくもの。
電子書籍とはちょっと外れるんですが、今後の編集者像に関するお話が面白かったです。それは「編集者がフリーランス化していけば良いのでは?」というもの。
この言葉から、フリーランスになる事のメリットを考えてみました。
編集者はフリーランスの方が都合が良い
小沢 僕は、出版社が生き残るためには、会社の機能をある程度整理しなければならないと思っています。
たとえば、法務とかアーカイブ管理といったテクニカルな部署はこれからも会社で抱えていく必要があるけど、編集のようなクリエイティブな部分の機能を、社内で維持するのは難しいんじゃないかな。
もちろん編集者という職業は残ると思うけど、出版社が抱えるのは難しくなる気がする。少なくともストーリーラインや内容に深く関わるタイプの編集者は、出版社から独立したほうがいい。
鈴木 そうですよね。マンガ家がたくさんの競争にさらされて、売れる人と売れない人に分かれてしまうように、本当は編集者も、能力がある人とない人できちんと選別されて、ダメな人は解雇されるとか、当たった人はものすごく儲かるとか、そういう風に分けていかない限りは、健全化しない。
小沢 僕らが馬だとしたら、出版社にとって編集者は馬を操る騎手みたいなものなんですよね。
鈴木 で、騎手を守る仕組みになり過ぎているというのが現状。
小沢 そこをもう少し、競争原理にさらしてあげると、お互いにいい効果になるんじゃないかって気がしますね。編集者というのは作品に対して、非常に強い影響力を持っている。
だからうっかり軽い気持ちで言った一言で、作品がダメになってしまうときもある。もちろん組織の中にいるからこそできることもあるんだけれど、ある一線以上、作品に踏み込むのであれば、こちら側に来てほしい。
鈴木 それがフリーランス化だよね、編集者の
この件に関して、鈴木みそ先生は『ナナのリテラシー1』でも似たことを語っているんです。
参照:電子書籍出版で稼ごうと思っているブロガーは「ナナのリテラシー」を読んで勉強しましょう
このように、編集者が独立してエージェントの役割を担うことは、よく考えれば理にかなっているんです。しかし、日本では慣習が変わらず、確立されていません。
エージェント制度に取り組んでいるのはコルクやThe Appleseed Agencyくらいでしょう。
しかし、この仕組みは出版社、編集者、漫画家にとってメリットがあるのです。
優秀な編集者はフリーになることでガンガン稼げる
出版社は、コスト削減できる(この言い方はあまり好きじゃないですが)。編集者は、フリーエージェントになるわけですから、優秀な人であれば給料が上がる。漫画家は、色んな面をサポートしてもらえるようになるので、描く仕事に専念できるようになる。
このように、専門職の人間がフリーランス的に働く仕組みにはメリットがあるので、他の業種でも採用された方が良いと思うのです。例えば、転職エージェント。
スポンサーリンク
個人エージェントとして稼ぐ道も
転職求人サイトなどでは、人を採用したい企業側に転職希望者を紹介します。紹介した人が採用されることで年収の数十%を受け取っています。
その際、報酬がエージェントにまるっと渡るわけではなく、ある程度の目標を達成してからインセンティブとして数万円が支払われるようです(これはある大手エージェントの例)。
エージェントしては求職者を紹介したとしても大きな旨みがあるわけではないんですすね。(まあ、その会社のデータベースや信頼を活用しているわけで、当たり前なのですが)
理想はフリーのエージェントとして直接報酬をもらうこと
それでも、エージェントとして一番旨みのある理想形は「フリーランスとして独立した状態で、企業側に求職者を紹介する」というやり方なのです。そうすれば、年収数十%がまるっともらえますからね。
こうした金銭的なメリットがありますから、転職エージェントのような専門職もフリーとして独立して働くようになると思うのです。そのためには、実力、信頼などを兼ね備えておく必要はありますが、優秀な人にとってはそっちの方が優れた働き方です。
スポンサーリンク
今後は他の職種でもフリーの方が稼げるケースが
紹介してきたフリーランス化の流れは、他に職業にも及ぶでしょう。本書で登場する鈴木みそ先生もKDPで1000万円稼いだわけですから、それだってフリー化の一つです。
さらに、経済ジャーナリストの木暮太一さんも以下のように語っています。
社会構造として、“総フリーランス時代”の波は必ず来る。
「その波に乗るか、その波にのまれるか」は、自分がどんな準備をしていたかにかかっている。
引用元:Amazon.co.jp: 普通の会社員がフリーランスで稼ぐ: 田中美和: 本
企業に依存しない「フリーランス・マインド」が必要な世の中
さらに、自身の著書『超入門 資本論』でも以下のように語っていますから、フリー化の流れが来るのは間違いないでしょう。
時代の流れとして、非正規・フリーランスが主流になる
「出来高賃金」は企業にとって都合がいい
マルクスの分析とは逆! 今後は「資本の分散」が起こる
企業に依存しない「フリーランス・マインド」が必要な世の中
これらを考えると、今後到来し得るフリーランス時代に備えて、実力をつけておくと幸せそうだな、なんて意識の高いことを年始に思った次第です。ですので、みなさんも今のうちから備えておきましょう。
ではまた!(提供:らふらく^^)