社会起業家になりたい方は、『マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった』を読むべきです。
こちらは、マイクロソフトのマーケティング・ディレクターとして働いていたジョン・ウッドさんの壮大な社会起業の物語です。これからNPOで社会貢献活動や、社会起業をしたい方は絶対勇気をもらえる名著です。
社会起業家ジョンは途上国に図書館を作ろうと計画を立てる
ジョン・ウッド氏は、ある事をきっかけに途上国に図書館をつくると志しました。
プロジェクトを始めて9年後、途上国の教育機会を支援する組織「ルーム・トゥ・リード(Room to Read)」のCEOになり、これまでに建設した学校は287校、図書館3540カ所、届けた本は140万冊を超えています。
そんなジョン・ウッド氏から多くの事を学ぶ事ができました。
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社会起業家に必須の資金を獲得するコツ「お金をくださいと言おう」
お金の話はみなさんしたがりませんが、資金調達は、組織を運営していく上で欠かせない要素です。ウッド氏は資金調達をいかにして乗り越えていったのでしょうか?
経験の少ない慈善活動が見過ごしがちなスキルのうち最も重要な一つは、自分たちのビジネスやビジネスモデルやプログラムを、寄付してくれそうな人に売り込む能力だ。
NPOの世界では大半の人が、「お金を下さい」という事を嫌う。でも、この壁を速く乗り越えないと、その組織は苦しむ事になる。
寄付者を捜している新しい慈善活動であろうと、最初の顧客を獲得しようとしている新興のソフトウェア企業であろうと、「お金を下さい」という事を恐れないスタッフが大切なのだ。
さらに重要なのは、相手の「ノー」を答えと思わず、何度でも可能性を追い求める精神がDNAに組み込まれている事だ。例えば、ボクは断られたらこんな風に言う。「ダメですか?今はダメという意味ですよね?」
お金に卑しさを感じずに、ビジネスの視点を持って資金調達に挑む必要があるとのこと。
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社会起業チームの人材に必要なものは情熱
新しい組織は、全てのスタッフに情熱がなければ機能しないだろう。とくに初期の採用が肝心だ。彼らが新しいスタッフに組織の文化を伝えていくからだ。
したがって、起業家はたくさんの志望者をやり込めなくてはならない。情熱が会って、自分の数字を知っている人間だけを雇うこと。
しっかり植え付けたいと思っているもう一つの教訓は、忠誠心だ。
世間には従業員から信頼を集める努力をしないまま、一方的に忠誠を要求するエグゼクティブが多すぎる。そんなとき僕はトーマス・エジソンの言葉を思い出す。
「たいていの人は機会を見逃す。機会は作業服を着て、重労働のように見せかけているからだ」僕自身がスタッフに忠誠心を示す方法は、シンプルで、直接的で、何の工夫もない。
情熱を持ったスタッフと組織内の忠誠心は欠かせないようです。社会起業家を目指す方で、組織運営をしていく方々はぜひ参考にしてみてください。
NPOを運営していくために必要な事
このプロジェクトを遂行した「ルーム・トゥ・リード」はNPOとして活動していく上で、以下の事をポリシーとしています。
①活動の成果や出費の内訳を詳細な数字で報告する。
②人件費などの運営コストを抑え、実際の活動に最大限の投資をする。
③地域社会も資金やろう動力を提供し、住民が主役となってプロジェクトを定着させる。
④地元の優秀なスタッフを集め、地元の文化に会わせたプロジェクトを育てる。
特に②、③、④はこれからのNPOの課題でもあるので、この辺をうまく回せるようになったら、持続可能な組織に成長していくはずです。
勇気をもらえる社会起業家の名言
ここからは、社会起業を志す方々ならきっと刺さる言葉を紹介したいと思います。
ゆっくりと着実に進む事が本当に重要なときもある。でも、よりよい世界をつくるためにやるべき事があるときは、障害を気にしてばかりいてもいけない。
許可を求める必要もない。とにかく飛び込むのだ。否定的な意見にやる気を奪われる前に。
人生に代償はつきものだ。僕くらい自分の仕事を楽しんでいる人は、世界に数えるほどしかいないだろう。
考える事に時間をかけすぎず、飛び込んでみること。
最大のリスクは、たくさんの人々があなたを説得して夢を諦めさせようとする事だ。世の中には、うまくいかない理由を挙げる事が大好きな人が多すぎて、「応援しているよ」と励ましてくれる人が少なすぎる。
1人で考える時間が長いほど、否定的な力に引き寄せられて取り込まれやすくなる。
心震えますね。しびれます。ポジティブな言葉を発する人と付き合うのが吉ですね。言葉は現象を引き寄せますから、言葉には気をつけましょう。(こちらが参考になります)
最後に
こうした社会貢献(NPO)や社会起業での成功例を見るだけでも、モチベーションが上がり、自分もできると思えます。
今は、若者がNPOなどの社会貢献活動に興味を持ち、人の役に立ちたいという人が増えています。これは良い流れです。そうした流れを加速させるためにもこの本を読んでほしいと思います。
社会にインパクトを与える社会起業家が増えることを願っております。