こんにちは。タクスズキ(@TwinTKchan)です。
10月12~13日、福島県で開催された「郡山で起業しよう。UIJターン体験ツアー」に参加してきました。現地の起業家さんからおもしろい話を聞いたので共有しておきます。
地方って同業者の「いい意味での縄張り意識」が仕事に良い影響をもたらすんですね。
意外とデザインの仕事は地方にある
写真提供:のんたんさん
話をしてくれたのはデザイン関係の仕事をされているAさん。Aさんは、東京でディレクターとして働いた後に、福島に帰ってきました。
仕事内容は、店舗のブランディング、地元企業のWebサイト制作、求人サイトのシステム開発など。最近だと、スマホファーストの流れを受けて、その辺の制作特需も来ているそうです。
こういった業務内容について詳しく聞いていく中で驚いたのが、クライアントを福島県内の企業に絞ったら(98%)、収益が安定したということ。
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東京より福島の方が単価が高い
以前は、都会の方がクライアントが多いということもあり、東京の仕事50%、福島の仕事50%のバランスだったそうです。
この状態だと仕事の数を不安に思うことはないんですが、東京のお客さんに依頼される際は問題もあったみたいです。
それが、価格競争に巻き込まれること。
東京にはライバルも多く安売りしてしまうことも
確かに東京には仕事が多いですが、その分ライバルも多いです。そうした状態だと、特徴的な強みがない限り価格で勝負しなければならなくなるわけです。
そうなると、割の合わない仕事もこなさなければいけなくなります。これじゃ、儲けは少なくなりますよね。
こうした状況を受け、Aさんはある時から仕事のスタンスを変えたそうです。
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いいものを作って口コミで仕事を獲得する
それが、「価格競争から離れて、1つ1ついいものを作ってお客さんに満足してもらう」というもの。丁寧な仕事をして良い口コミを集めていき、一切営業せずに仕事を受注できるようにしたのです。
また、コンペなし、相見積もりなしでやるために、それを理解してくれるお客さんと付き合うことにしたそうです。
結果、東京のお客さんは全体の2%になり、残りは福島のお客さん。これによって収益が安定したわけです。
地方では業者間の住み分けができている
(初日に訪れたコワーキングスペース)
また、こうした状況を作れたのは業者間の関係性も一因と言います。
地方だと同業同士の狭いコミュニティがあり、ネットワークが密なんだそうです。そこでは、お互いの適正価格が守られるように、無理な価格設定をしないようにしているんです。
これによって、東京のような消耗戦が防げるわけです。
いい意味で空気を読みながら、生態系を荒らさないように仕事をしているんですね。
取引先と長く仕事をする
また、取引先とお付き合いが長くなるのも魅力のひとつ。よっぽどのことがない限り、鞍(くら)替えは起きないそうです。
こうなるのは、その会社の経営者と良好な関係を築いた上で仕事をするから。
地域柄、経営者とお話する機会も多く、深い話もするようになるんだとか。そうなると、「この会社が成長できるように仕事をしよう」と思えるようになるんですね。
このように、運命共同体のような意識が芽生えるため、付き合いも長くなっていくんです。
地方にいるからこそできるWebの仕事
(いろんな起業家の方の話を聞きました)
こうしたスタイルで仕事をするAさんは「地方にいるからこそできるお仕事。ただ作るだけじゃなく、社長さんの相談役にもなれて嬉しい」と話していました。
また、技術の移り変わりが速いWebの仕事であっても「この地域で仕事がなくなることはない」とも語られてましたね。
本業に集中したいからWebは任せてもらえる
時代の変化とともに、WordPress、Wixのような「簡単にサイトを作れてしまう便利なサービス」は出てきます。
こうした状況になると、つい「サイト制作の仕事は便利ツールに置き換えられてしまう」と考えがちです。
でも、実際はそうじゃないんですね。
地方の会社では、そういったツールを使うこと、導入することすら面倒に思うんですよ。
そのスキルをつけるよりは、お金をかけてでもプロに任せて本業に集中したほうがいいと考えるんだとか。こうしたスタンスなので、地方にはWeb仕事の需要が残り続けるのです。
Webの仕事は実績を見せやすい
また、Webサイト制作の仕事だと、Web上に作品が残るため実績として紹介しやすく、仕事の受注にもつながりやすいんだそうです。
実際、「Facebookに実績を載せていると、お客さんが別のお客さんに紹介してくれてることがある」なんてエピソードも聞かれました。
こんな風に、地方ならではの意外な事実を知れた貴重なツアーとなりました。(ツアーの様子は随時アップしていきます)
ではまた!(提供:らふらく(@TwinTKchan))
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