記者たちよ!移住者がみんな明確な目的を持っていると思うなよ!

とある移住者がタイトル通りの訴えをしていて、大変心を動かされたので、共有します。

昨今の意識の高い移住に辟易していた人はこれを読んで勇気を出してください。移住って引っ越しなんですから、単純な理由で移住したっていいんです。

東京が疲れたから、とかその町が好きだから、とかね。もっと適当にいきましょう。

移住して「お店やらないの?」って言われるのが辛い

今回お話を伺ったのは、東京から広島県の尾道に移住した女性。移住して1年半が経った方です。現在は、ゲストハウスのスタッフとして生活されています。

彼女が冗談交じりでつぶやいた「移住者がみんな明確な目的を持っていると思わないで(笑)」という言葉。この背景には以前から彼女が感じていた問題意識があるんです。

彼女は最近、取り上げられる「現地でクリエイティブな活動をしています」「地方を活性化させるため」のような意識の高い移住に息苦しさを感じていたようです。

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移住した理由は「尾道が好きだから」。特に深い意味はない

実際、彼女が移住した理由は「尾道が好きで、そこで生活したかったから」で、特に深い意味はなかったと言います。

そうした理由で移住したこともあって、尾道に来た当初は「お店をやるの?」という周りの声がプレッシャーだったようです。(尾道では移住者が飲食店を始めるケースが多い)

そもそも、「30歳くらいで会社を辞めて35歳までには引っ越す」とは決めていて、移住先として馬があったのが尾道。

移住までに年2回来ており、それまでの滞在で現地を自分なりに理解した上で、飛び込んできたとのこと。

東京のスピード地獄から抜け出したかった

移住前は、東京で舞台音響の仕事をしていた彼女。

東京で働いていた時はスピードの速さについていけず、もっとゆっくりしたいと考えていたそうです。そんなこともあって、検討していた移住。実際、移ってみて「スピード地獄から抜け出せたのはよかった」と語っていました。

生活が好転したことは周りからも評価されていたようで、同席していた移住者の知人からは「可愛くなった。顔つきが変わった」と褒められていましたね。

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空き家プロジェクトのシェアハウスに住めることに

移住したての頃は、家がなかったため「空き家プロジェクト」のシェアハウスに住んでいたそうです。そこではヘルパー(家の手伝い)をして家賃タダで滞在していました。

移住者として不安なのは「仕事」と「家」だそうなので、シェアハウスによって不安要素1つは取り除けたわけです。

そして、もう1つの不安要素を除くために彼女はゲストハウスのスタッフをやることになりました。この仕事もちょうど知り合いのゲストハウスで人が足りなくなっため、入り込んだようです。

こうした偶然を彼女は「仕事と家が降ってきた」と表現していました。

「移住はしたければ、すればいいじゃん」

ここまでの話で僕が感じたことは、移住ってこれくらいライトでいいんだということです。これまでに話を聞いた移住者や、インタビュー前に抱いていた移住者像とは違っていたんですよね。

彼女は「自分がやりたいようにすればいい。移住は特別なことじゃない」「距離が長いだけの引っ越しで大それたことはしてないので、移住者とくくられるのは不本意」とも語っていました。

「移住はしたければ、すればいいじゃん」のスタンスで自己責任でやればいいと考えているようです。実際、同席していた移住者の男性スタッフも同じような考え方を持っていました。

5分で移住を決めたツワモノも

彼に限っては5分で尾道への移住を決めたようです。それまでは広島でインストラクターとゲストハウススタッフをやっていたそうなのですが、ビビッときて決断してしまったようです。

こうした姿を自己分析して「意識が低い移住」とおどけていた姿は非常に印象的でした。

他にも移住経験者に話を聞くと、「移住にはいろんなスタイルがある、普通にバイトする人もいるし、空き家を活用したい気持ちもなくて普通にのんびりしたい人もいる」という情報が得られました。

こうした話を聞いて、移住に対する考えがガラッと変わりました。

移住は引っ越し。もっとライトに引っ越してもいい

考えてみれば、移住ってもっとライトなものでいいんですよね。距離の長い引っ越しなんですから。僕だって、山形から千葉、千葉から東京、東京から埼玉と引っ越ししてきましたが、それと変わらないことなんです。

僕が引っ越した理由なんて「渋谷に近いから」「会社に近いから」みたいな軽いものです。そこに「現地で世界を変える!」みたいな意識はありませんでした

意識の低い、一般的な引っ越しだったんですね。地方移住もそれくらいライトでいいはずです。地域を盛り上げる必要もないし、空き家を改修して地域課題を解決する必要もない

「この街が好きだから」「東京から逃げたいから」みたいな軽いノリでいいんです。だから、昨今の意識の高い移住で「俺なんかが」と尻込みしていた方は安心してください。

マスメディアの記者は移住の多様性を伝えたほうがいいんじゃない?

動機なんて何だっていいんです。軽い気持ちで移住して満足してる人もいますし。もっと気楽に移住をとらえていきましょう。

意識の高い移住文化はメディアの記者が作り上げたものです。移住ってもっと多様性があっていいんですよ。(実際、移住者にインタビューする記者は事前に伝えることを決めて、その根拠づけとして移住者に話を聞くようです)

ではまた!(提供:らふらく^^(@TwinTKchan)

>>【地方の連載】Youは何しに地方へ?の記事一覧

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