ハイパーメディアクリエイターがうさんくさいって本当か?

ハイパーメディアクリエイターとして知られる高城剛さん。

うさんくさい、とか怪しい人という印象でしたが、「ヤバいぜっ! デジタル日本 ―ハイブリッド・スタイルのススメ」を読んで印象が変わりました。

本の内容は、日本のIT、コンテンツ戦略に対する問題提起がメイン。2006年から斬新な発想をしていて驚きましたよ。

「うさんくさい」などと実情を調べずに勘違いしてる人は、彼の言動を読んで考えを改めてください。この人、凄い人です。

そもそも高城剛って何者?

高城剛さんは、1964年生まれのクリエイター。職業は1つに絞られておらず、ライター、映像作家、著者、広告プロデューサーなど様々。

ちなみに、一人歩きしているハイパーメディアクリエイターとは、メディアによって意図的に切り取られた言葉

彼は、日本大学の芸術学部に在学中、その肩書きを使っていました。当時、注目を集めており、何をしているかをわかりやすく伝えるために、「ハイパーメディアクリエイター」と名乗ったのです。

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いろんな分野のクリエイター

その時は、いろんなことに手を出していたので、自分をなんと呼べばいいかわかっていなかったわけです

しかし、その響きが面白く、特徴的な部分だけをメディアに切り取られて伝えられてしまったんです。

なので、彼自体は怪しい人間ではなく、職業上は、いちクリエイターなのです。実際、いろんな仕事をこなしています。

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高城剛さんの実績

実績は以下の通り。

・台湾観光キャンペーンの総合監督
・ルイヴィトンのアニメ『SUPERFLAT MONOGRAM』を手がける
・東京オリンピック招致映像の監督
・AIBOプロモーションビデオ

これだけ有名作品に携わる優れたクリエイターなのです。このように、業界でも有名な彼。本書の中でもクリエイティブな名言を残しております。

ハイブリッドな生き方が重要だ

まず、1つめが「ハイブリッドが必要」という言葉。組み合わせの重要性を書いています。

自動車でハイブリッドと言えば、今までのガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせて使うことを指す。

今までのエネルギーを完全否定するのではなく、混合して使っていくことが、現代社会が抱える問題の答えのひとつとして、とても新しいということだ。

時代は、全く新しいものではなく、また、古いものの完全否定でもなく、ハイブリッドな新しいスタイルを求めているのだ。

技術で言うならば「あわせる技術」が最も重要ということになる

コンテンツ産業の未来は権利の扱い方にかかっている

また、これから日本が発展していくために重要なコンテンツ論も。

コンテンツ産業の近代化とは、いったいなんだろうか?

それは、「国際化」と、「制作部門と権利部門の分離」に他ならない。テレビも同然、同じである。

テレビの未来はデジタルでもインターネットでもなく、国際化と権利の扱い方に全てはかかっているのだ

映像コンテンツが儲かる

知恵やアイデアを使ってすぐお金になる世界的なヒット商品を連発すればいいのだ。

とにかく、一番小さなお金で大きく稼ぐ可能性があるのは、巨大コンテンツと言われる映画および映像産業だろう。

「冬のソナタ」の大ヒットでもわかるように、たった一つのコンテンツがすべてを変えていくことを、もっと信じることだ

「カット&ペースト」でコンテンツを作れ

伝統的コンテンツではなく、ポップカルチャーを海外に輸出すること。これに力を注ぐべきである。

では、ポップとは何なのか?その定義は「カット&ペースト」だという。

すなわち、既にどこかにあるモノを切り抜き、張り込んでいって、新しいものを作るということである

世界中のポップミュージックの多くは、すでにこの「カット&ペースト」で作られている。

近年のハリウッド大作映画を見ても、全くのオリジナルではなく原作があり、その原作の良いところを切り出し、「カット&ペースト」して映画を作っている。

「ネタ」の発掘・発見と、どう「カット&ペースト」するか、のスタイルこそが、最も重要となるのである。

そのスタイルを「マッシュ・アップ」と呼ぶ。

どんな時代でも、「コピーしやすい方」が勝つ

どんな時代でも、次世代記録メディアの勝敗は「コピーしやすいほう」が勝つものである。

コピーは人間の本能であるので、供給する側もいつかはコピーされることを前提にしなければならない。

ある程度、数年後のコピー市場を予測しながら普及戦略を考えるべきである。それが真にユーザーサイドに立っているということだと思う

普及という言葉や、デファクトスタンダード(事実上の業界標準)という言葉の裏には、常にコピーがあるものなのだ。

直接的にコンテンツで稼ぐ時代は終わった

人々がコンテンツを見聞きすることが減って、逆に発信側に回ってしまったら、コンテンツ・ビジネスが成立しないのではないか?と思う人もいることだろう。

実際、そうである。すなわち、直接的にコンテンツで稼ぐ時代は終わったということだ。

何より、どんな大ヒットコンテンツより、彼氏からのメールの方が素晴らしい

このことからもわかるように、時代はマスコンテンツを思いのほか必要としていない。メールのような自分だけのコンテンツ、デジカメ写真のような自分のコンテンツを大切にしている

クリエイターに場を提供して稼げ

これからのコンテンツビジネスは今までと大きく変わり、無料でもより多くの人に見てもらい、その見ることの対価を直接払ってもらうのではなく、違う方法で稼ぐことが主流になるだろう。

コンテンツ制作のポイントは、インターネットでは編集者的センスがとても重要とされる。

コンテンツを作るのではなく、クリエイターに場を提供する編集者的存在が必要なのである

などなど。著作権やコンテンツビジネスに関して勉強になることばかり。これぞ、ハイパーメディアクリエイターたる所以でしょう。

本を読めば、「うさんくさい」が嘘であるとわかりますね。名言が多いので、音楽業界など、稼ぎ方を変えなければいけないクリエイターは読んでおくといいです。

ライフスタイル「デジタルノマド」も提案

他にも、高城剛さんは、家を持たない「デジタルノマド」という生き方・働き方も提唱しており、クリエイターの間ではカリスマ的存在です。

こうした自由な生き方に憧れる人は、クリエイターだけでなく、会社員にも多いです。僕もいくらか影響を受けてフリーランスになりました。

実際、クリエイティブな仕事をやるようになって楽しく働けるようになりました

なので、ここまでの文章を読んで、こんな生き方がしたいと思ったら、それを実現できる仕事を見つけてみましょう。

クリエイターには仕事を楽しんでる人が多い

会社員時代、クリエイターが多い職場で働いていましたが、仕事に夢中になって楽しんでいる方が多かったです。

こうした仕事に就けると、幸せです。人生で楽しいと思える時間が増えるのですから。なので、こうなりたい方はクリエイティブな仕事を探してみましょう。

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