しんどい大学院生活の癒しである「オードリーのオールナイトニッポン」を聞きながら、いつも考えていたことがある。
それは、このままつまらない研究を我慢して続け、メーカーの研究者として一生安泰とも言えるチケットを手に入れるべきか、それとも楽しいと思えることを見つけて、レールを外れるべきか、ということ。
非常に悩ましい問題である。
研究職は給料もいいし、たぶん定年まで安定して働ける
僕のような地方国立大の工学部大学院生にとって、進路選択とは非常に簡単である。自分が研究している分野と近いことをやっているメーカーの研究職を受ければいいのだから。
理系の場合、ほぼ間違いなくメーカーの研究職として働くことになる。企業選びも簡単で、研究室の推薦枠とか先輩の事例をもとに良さそうな企業を受けて、サクッと内定をもらって就活を終わらせてしまう。
しかも、メーカーの研究職(花王とかの)になってしまえば、「手に職」なので、一生食っていけてしまう。ともすると、公務員よりも安定な職業なのだ。
そのためには、学生時代から研究室に入り浸って研究をする必要があるのだが、メーカー研究職というチケットさえ手に入れてしまえば、仕事に困ることはないだろう。
それだけ、大学院生にとって研究職というのはアツい職業なのである。
これだけのメリットを考えれば、ほとんどの院生が研究職を目指すのもわかる。だが、自分は違う。安定した待遇は魅力的だが、何より研究が好きではない。
そもそも、「学歴ロンダリング」という非常にネガティブな理由で大学院に来たため、いる意味すら見出せていない。だから、研究職になりたい、とは全く思わないのだ。
それよりも、漠然とだが、企画職やマーケティングの仕事をやってみたい。それか、新聞社やWebメディアの会社に入って何かを伝える仕事に就きたい。
だが、学生時代、そういった仕事に就くための活動を何もやっていなかったので、就活でアピールすることがないのだ。
情報発信をするにしても、mixiの日記で友達向けに書いていたくらいだし、Twitterも毒吐き用にしか使っていない。
企画もそうだ。だから、ITベンチャーでインターンを始めたのである。
こんなことを研究室の先生に相談したら、「君は何を言ってるんだ?」と諭されるんだろうな。ガチで研究をやってきた人からしたら、こんな異常な感覚、理解し得ないだろう。
だけど、自分は研究職以外の仕事がしたい。どうやったら、企画とかネット記者みたいな仕事ができるんだろうか。好きなことを仕事にするなんて可能なんだろうか。
そんな取り止めもないことを考えているうちに、今回も、研究の合間に聞いている「オードリーのオールナイトニッポン」のエンディングを迎えた。
「この後また、夢でお会いしましょう。アディオス!」
春日さん、いっつも同じ締め方だな。
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来週の土曜日に続く。。
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この作品をまとめて読む際はこちらから→ 短編小説「フリーで働くゆとりの告白」
※ここで語られることはフィクションであり、実在の人物や団体などとは一切関係ありません。