gumiがブラウザゲーム系の開発者を中心に100名程度の希望退職者を募集したそうで、ネット上ではいろんな声が飛び交っています。
ソーシャルゲームの会社に新卒入社した僕としても色々と思うところがあるので、ソーシャルゲーム業界やWeb業界の仕事について書いてみます。
この業界を目指している方には、絶対に知っておいてほしいことですし、憧れで業界を志望している方にはぜひ読んでほしいです。
ちなみに、僕のプロフィールを言っておくと、2013年4月にソシャゲの会社に新卒で入って1年2カ月で辞めています。
ネットの反応「gumiで事実上のリストラ?」
まずは、ネット上の反応をご覧下さい。
この記事だと、ネイティブシフトが完了したからブラウザゲームで守ってた人員ポイするとしか読めないんですがこれは… / “gumi、ブラウザゲーム系の開発者を中心に100名程度の希望退職者を募集 | Social Game Info” http://t.co/sdM34XBXt1
— たっくまん (@tackman) 2015, 3月 27
はてなブックマークでは、こんな反応も。

ざっくり言ってしまえば、gumiがネイティヴゲームに注力したいから、ブラウザゲームに携わっていた人たちに退職を迫っているということ。
古いゲームから新しいゲームへの移行スピードが速い
ちなみに、ブラウザゲームとは、ガラケー時代からGREEやモバゲーで勢いを増したブラウザで遊べるゲームのことです。「ポチポチゲーム」と揶揄されるアレですね。
ネイティヴゲームは、パズドラやモンストのようにスマホアプリで遊べ、ブラウザ内で完結していないもの。リッチな演出やアニメーションが特徴的です。
gumiは今後、この領域に注力していきたいから、ブラウザゲームに携わっていた人たちの移動を促したというのです。
スポンサーリンク
gumiの判断は当たり前の事
ネット上では、この決断に否定的な意見が多いですが、僕は「しょうがないのかな」という見解です。
と言うのも、僕自身、ブラウザゲーム(正確には側ネイティブ)の開発に携わっていたんですが、そこでブラウザの陰りを実感していたんですよ。
当時は、ガンホーのパズドラ、ミクシイのモンスト、コロプラのウィズなどネイティヴゲームがガンガン売れてて、ブラウザゲームがオワコン化してたんですよ。
社内でもネイティヴゲーム開発者が優遇されるように
そうした流れ通り、僕がいた会社のブラウザゲーム勢も売り上げを落とし、ネイティヴゲーム開発に注力したんです。
その活動としては、エンジニア向け勉強会の開催、ネイティヴ開発に必要な技術の啓蒙といったものがありました。また、社内でもネイティヴゲーム開発に必要な人材が重宝されて、採用にもお金をかけていました。
これは、僕がいた会社に限った話ではなく、業界全体でこうした流れがあったんです。
スポンサーリンク
gumiに新卒入社していたら、希望退職者対象だったろうな
つまり、業界全体で、プログラマーには技術の転換が迫られたんですね。それは今も続いています。
現在のゲーム業界において、ブラウザゲーム時代に必要だった技術って求められてないんです。もちろん、人材も然りで。
だからこそ、ネイティヴゲーム開発に必要なスキルを身につけようとしなかった僕がgumiに新卒入社していたら、希望退職者の対象になっていたはずなんです。
だって、ブラウザゲームのスキルしか持っていなかったんですから。
技術の移り変わりについていけないならゲーム会社はやめておこう
これは当然のことです。会社が「ネイティヴに舵を切って行く」と宣言しているのに、その方針に従おうとしないのだったら、会社にとってマイナスです。
だったら、他の会社に行ってブラウザ系のスキルを活用したほうがいいでしょう。実際、そうしたスキルを求めている会社もありますし。
退職しちゃった方が、会社と働く人の双方が幸せなんです。
ソーシャルゲーム開発会社では一生勉強する必要あり
gumiの事例からもわかるように、ソーシャルゲームやWeb業界では、必要なスキルがコロコロ変わります。だからこそ、時代の流れに合わせて、スキルを勉強し直していく必要があるんです。
Appleが「iOSアプリ開発のプログラミング言語をSwiftにする」と発表した際、エンジニアがざわついたように、そうした変化にも対応しなければならないんです。
これって、めちゃくちゃ大変ですよ。プログラミングが好きならいいんですけど、前職の僕みたいに前向きに取り組めない人間にとっては地獄です。
変化の早い業界で働けますか?
だからこそ、これからソーシャルゲーム、Web業界などを目指そうとしている人にはよく考えて欲しいんです。「こんな環境でもあなたはやっていけますか?憧れだけで判断してないか?」と。
僕自身、憧れベースで業界を選んで後悔しているので、この業界を目指す人には、しっかり考えて欲しいんです。
ベンチャーってカッコイイみたいなイメージもあるんですが、それって幻想であることが多いですからね。
ソーシャルゲーム業界を選んでしまった人に安住の地はあるのか?
じゃあ、一度その業界に入ってしまったら、抜け出すことはできないのかと言うと、そんなことはありません。
述べてきたように、ソーシャルゲーム業界は必要なスキルが変わるスピードも速いし、ルールが変わりやすいので、大変な仕事です。実際、夜遅くまで仕事をしている人も多いです。
でも、ちゃんと別の道が用意されています。
ソーシャルゲーム会社で疲れたら逃げ道もある
以前、ソーシャルゲーム業界の転職をサポートする「ワークポート」のスタッフにインタビューした際、こんなことが語られました。
求められるレベルも高く、それに合わない方は離れていってしまうケースもあります。スピードや求められるレベルについていけるか考えた方がいいですね。
逆に、そのスピード感に疲れてしまった人が欲しいという会社もあります。受託の会社がワークライフバランスを保証して人を集める、これは老舗のデベロッパーさんで見られます。
ここでは、ソーシャル系でイケイケの感じに疲れてしまった人がターゲットになっていると思います。
このように、ソーシャルで疲れてしまった人にはしっかりと次のステップが用意されています。なので、今後この業界を目指そうと思っている方は、過度に不安がる必要はありません。
きついけど給料は良いよ
ただし、何度も言うようにぬるい業界ではないので、ガッツがないと付いていけないことだけは念押ししておきます。こうしたことも考えながら、ソーシャルゲーム、Web業界を見ていただけると幸いです。
仕事選びの際は、メリット・デメリットを知った上で判断してください。
ではまた!