世間には「巻き髪にすれば職場で需要のある人間になれますよ」という奇妙な論調があるようです。しかし、そんなことをしなくても職場どころか、労働市場全体で需要のある人間になれるんです。
マーケット感覚を身につければいいんです。ということで、ちきりんさんの『マーケット感覚を身につけよう』を読んで、そのための方法を勉強していきましょう。
そもそも職業の供給数は市場で決まる
まず意識したいのが「そもそも、仕事(職業)というのは市場で決まるのだから、市場を見極める必要がある」ということです。
一般的には、職業の供給数は市場によって決まります。たとえば自動車業界の景気が良ければ、自動車メーカーが大量の技術系学生を採用し、結果として、自動車関連のエンジニアが増えます。市場での需要増に連動して、技術者の供給も増えるのです。
反対に雑誌が売れなくなれば、出版社は雑誌部門への採用や配属を控えるので、雑誌編集者という職業の供給も減っていきます。こうして職業の需要と供給は市場によって調整されるのが普通です。
このように、市場環境が変われば、仕事に対する需要は大きく変わってしまうので、盛り上がっている業界、分野を選ぶ必要があるんです。
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国家資格が必要な仕事でも安心はできない
さらに、本書では国家資格で保証された仕事でも、需要を見極めなければ大変なことになると述べられています。
これからは、お上が国家資格で保証してくれる職業ではなく、市場で強く求められる職業こそが、いい職業です。
市場化する社会では、政府が認定した資格を無思考に目指すのではなく、その資格を必要とする職業がおかれた市場の状況について、正しく理解するためのマーケット感覚が不可欠です。
実際、国家資格を持っていても、市場の状況が良くないため、弁護士や博士は仕事での苦労が多いようです。
また、人気資格となっている薬剤師でも安心はできないといいます。薬剤師に必要なスキルをデータや機械で置き換えられてしまったら、薬剤師への需要は縮小してしまいます。
そうならないためにも、市場の状況を見極めることが、巻き髪にすることよりもパステルカラーの服を着ることよりも重要なんです。
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需要のあるスキルに乗り換える決断力が重要
それは、資格が関係ない仕事だって同様です。
資格を必要としない一般の職業でも、需給バランスの変化によって、働く機会や得られる報酬は大きな影響を受けます。
特に、変化の早い情報関連ビジネスの分野では、需要の落ちた分野で高い技術力を持っているより、需要が爆発する新分野での技術を持つ人の方が(たとえレベルがそんなに高くなくとも)市場では引っ張りだこになります。
僕がいたIT・Web業界では、こうしたことがよくありました。業界では、重要な技術の移り変わりが早く、Webブラウザ系のものからネイティブアプリ系のものへと移っていきました。
この際、会社内でも技術の移行が強く求められたんです。実際、ネイティブアプリ系の技術を持った人は会社内外で需要があり、モテまくっていました。
この例のように、本書でも「モテる人、需要のある人になるにはすばやく移動することが大切」と語られています。
自分が勉強している間に、その仕事に対する需要の大きさが変わってしまうかもしれないのだから、ひとつの分野にこだわり続けるより、需要が増える分野を見極め、伸びている分野にすばやく移動することの方が、よほど有用な場合も多いのです。
市場化の進む社会におけるキャリア形成では、市場の動向をいち早く見極めるためのマーケット感覚と、需給バランスの変化に合わせて自分のスキルや専門性をシフトするための柔軟性や決断力が、何より重要になるのです。
このようにして、職場もとい労働市場全体で需要のある人になるには「マーケット感覚」と「スキルへの柔軟性と決断力」が必要なんです。こうすれば、巻き髪にしなくても需要のある人間になれます。
これは、働く人全員に当てはまることですので、ぜひとも覚えておきましょう。
ではまた!(提供:らふらく^^(@TwinTKchan))