『木更津キャッツアイ』や『古畑任三郎』など、伏線が短いスパンで発動する作品が好きな方向けにオススメ漫画を紹介します。人のつながりを伏線にしたほっこりする漫画です。
ショートパス型の伏線でサクッと種明かしを
僕はドラマや漫画で登場する「伏線」が好きで、物語の序盤に布石として登場した人物が終盤で重要な役割を担う、という展開がある作品をつい見てしまいます。
その中でも、短い間隔で成り立つ「伏線」を好んでいます。あまり長期にわたる伏線だと、ずっと作品を追っていなければならず、疲れてしまうし、サクッと楽しめるリニア過ぎないコンテンツが好きだからです。
それ故、1話内で伏線が成り立つ『木更津キャッツアイ』や『古畑任三郎』が大好きなのです。そして、僕はこういった伏線を「ショートパス型の伏線」と読んでいます。
どういうことか、これは進撃の巨人作者のインタビューに起因します。
伏線とは未来の自分にボールを蹴っているようなものだ
『ダ・ヴィンチ 2014年 10月号』におけるインタビューで作者・諫山創さんが伏線について、こんな風に語っていたのです。
「伏線を張る行程はサッカーにおけるロングパスのようなものだ。どこか遠くにボールを蹴って、未来の自分にそれを受け取ってもらってシュートを打ってもらう。こんな感覚で伏線を張っている」
作者が語るように、進撃の巨人のような長編大作になり得る作品ならば、ロングパスは必要でしょう。何巻にも渡って伏線を潜伏させておく必要があるのですから。
1話内で完結するならショートパスがちょうどいい
しかし、前述した『木更津キャッツアイ』であれば、伏線を潜ませる期間は数十分ですから、伏線を張る際もショートパスを蹴る感覚がちょうど良いと思うのです。
そうした背景があって、僕は「ショートパス型の伏線」という言葉を使っています。そして、僕好みの「ショートパス型の伏線」を巧みに利用した作品を見つけたのです。
スポンサーリンク
1巻の中で様々な人間関係の相関図が完成
それが『千代に八千代に』という漫画です。
この漫画は読み切り形式で、1巻内に複数の短編が収録されています。
こう見ると、1話1話が独立して成り立っている印象を受けますが、実は1つ1つの話が連動していて、ブツ切りに登場する人物がそれぞれの話で交わっていくのです。
見所は「千代さん」「先生」「久美子」「やっちゃん」「和」「駄菓子屋のお姉さん」「太一さん」「祐美子さん」「美紀」「怪しいサングラスのおじさん」がどのようにして関わっていくのか。
そして、最終話「パッチワーク」では全ての登場人物がつながり、読んだ後「こんなにもショートパス型の伏線が張られていたんだ」と膝を打ってしまうのです。そのつながり方が非常に秀逸で、「六次の隔たり理論」を目にした気分になれます。
まさに「パッチワーク」にふさわしいオチで感動するはずです。
最近、見た作品の中でもこれだけ秀逸な「ショートパス型の伏線」はなかなか無いです。それくらい良い漫画ですので、みなさんも読んでみて下さい。
『木更津キャッツアイ』や『古畑任三郎』が好きな人はハマるはずですので。
ではまた!(提供:らふらく^^)