POD(Print On Demand)という出版の仕組みをご存知ですか。PODを利用すれば、ユーザーが注文した時にだけ紙の本を刷ればいいので、在庫を抱えずに出版できるようになるのです。
「在庫」は出版社側のメリットですが、ユーザーにとっても大きなメリットがあります。さらに、紙の本を出版したい個人を助ける仕組みでもありますので、ぜひ知っておきましょう。
紙の出版にこだわる人向けのPOD
今や誰でもKDP(Kindle Direct Publishing)を利用すれば、Kindleで電子書籍を出版できて鈴木みそ先生のように1000万円以上稼ぐ事だってできます。しかし、中には紙での出版にこだわる人もいるはずです。
そんな方にオススメなのが、POD(Print On Demand)という出版方法です。
これはAmazonなどが提供しているサービスで、書籍の注文があるたびに紙の本を刷るというものです。
Amazon.co.jp では、プリント・オン・デマンド(POD)技術により、お客様の注文に応じて書籍を1冊からでも迅速に印刷・出荷することができます。このプログラムが適用された書籍は常に出荷可能な「在庫あり」の状態になります。
便利みたいですが、なぜこうしたサービスが生まれたのでしょうか。これから展開していく話の理解度を上げるためにも、その背景を知っておきましょう。
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PODが生まれた背景「在庫が出版社を悩ませていた」
『電子書籍の衝撃』でも語られていましたが、最近はヒット本を出すための母数調整や、本が売れているように見せるために多くの新刊が出版されています。そして、出版社側には在庫による負担というしわ寄せが来ているのです。
さらに、大量に刷ればコストを安くできる事もあって大量の本が刷られていました。そんなことから、「在庫」というものが出版社を悩ませていたのです。
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PODによって在庫をもつ必要が無くなった
しかし、PODという仕組みを利用すれば、注文があった時に印刷すれば良いので、在庫を抱える必要がありません。そんなことから現在、PODが活用されているのです。
ちなみに、PODでは在庫をもつ必要がないので、出版社としてはニッチな分野の本も出版できるようになります。これまで、ニッチな本というのはそんなに売れないため、在庫を恐れて出版する事がためらわれてきました。
しかし、オンデマンドで刷ればいいため、本の種類もニッチで構わないのです。そうした特性を生かしてインプレスR&Dによる専門書の出版ブランド「Next Publishing」では、ニッチな分野の本を出版しています。
そうして出版されたのがマッキンゼー 成熟期の差別化戦略 2014年新装版や顧客を知るためのデータマネジメントプラットフォーム DMP入門です。
参照:難しい本が敬遠される時代、電子書籍とオンデマンド印刷に専門書の活路を見出す、インプレスR&Dの取り組み
さらに、PODで素晴らしいのが絶版という概念が無くなる事です。原本さえあれば、注文が入り次第出版できますから、これまで在庫などの問題で読めなくなった本も復活させる事ができます。
PODにはこうした素晴らしいメリットがあるのです。
PODのユーザーにとってのメリット
これまで、出版社側のメリットを書いてきましたが、次は個人にとってのメリットを紹介していきます。
注文の度に刷ってもらう事ができるので「在庫がないので待つ」という事が無くなる
絶版していた本や、これまでは出版され得なかったマニアックな本を読む事ができるようになる
の2つがメリットです。そして、これから紹介するもう1つが特にお勧めしたいメリットなのです。
紙の本を自己出版したかった方にもメリットが
それは、紙の本で出版したいユーザーにとってのメリットです。これまで、KDPで電子出版する方法はありましたが、どうしても紙で出版したいというこだわりをもっていた方もいるでしょう。
そうした方でもPODによって出版するチャンスが広がったのです。前述したように、在庫の問題が解決されて「部数」「分野」という問題が解決されましたからね。
AmazonのPODでは対象が出版社のみですが、カクワークスが提供するプリントオンデマンド限定プランでは、個人向けに出版しやすい仕組みを用意してくれています。
パーフェクトパッケージブランから、プリントオンデマンド出版だけを抜き出した限定プランになります。アマゾンジャパンと三省堂書店のプリントオンデマンド出版にダブル登録!三省堂書店の店頭やアマゾン、楽天であなたの著書が販売されます。10冊の無料配本特典付き。
引用元:グッドタイム出版(カクワークス社)|Kaku works プリントオンデマンド限定プラン
こちらのプランだと数十万円で紙の本が出版できるようです。このようにして、個人の書き手にとってもPODは有益なのです。
個人の書き手にとってチャンスが広がる
紹介してきたように、PODは出版社、ユーザー双方にメリットがある素晴らしい仕組みなのです。そして、紙出版希望の書き手にとって特にメリットが大きいです。
僕たちくらいの世代であれば、出版したかったら「KDPで出してみるか」となりますが、60代以上の方などデジタルに関して知識の乏しい方にとって電子出版は厳しいはずです。
しかし、どうしても自分の生きた証を残したいという方はきっといるはずです。そうした方にとってPODは大きな助けになるのです。ですので、あなたの周りに「紙の本で自分の生き様を残したい」という方がいれば、ぜひPODという仕組みを教えてあげてください。
自費出版は200万~300万円かかるらしく、数十万円でも出版できる事を知らないのはもったいないと思いますので。
ではまた!(提供:らふらく^^)