”きゃりーぱみゅぱみゅ”の海外展開がなぜ成功したかを立役者2人が話してくれました。これ、コンテンツ制作者は必読の話ですよ!
アーティストの海外展開について語られたセッション
セッションの登壇者は以下の通り。
中川 悠介氏(以下:中川)
アソビシステム株式会社 代表取締役社長。所属アーティストには「きゃりーぱみゅぱみゅ」を擁し、ワールドツアーを成功させる偉業も。
鈴木 竜馬氏(以下:鈴木)
株式会社ワーナーミュージック・ジャパン 統括事業本部 邦楽第1クリエイティブルーム本部長。unBORDEレーベルヘッド。
WMJ社内に邦楽レーベル「unBORDE(アンボルデ)」発足。”きゃりーぱみゅぱみゅ”のプロデュースなど、レーベルの陣頭指揮を執りながら現在に至る。
引用元: 鈴木竜馬 | THE BIG PARADE 2014 ザ・ビッグ・パレード2014
ふくりゅう氏(以下:ふく)
音楽コンシェルジュとして活動中。今回は司会として登壇。著書「ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本」
セッションでは、「きゃりーぱみゅぱみゅ」の海外展開に携わった2人が、どのようなスタイルで取り組んでいったかなどが語られました。
なお、以下の内容を理解するための前提知識として、2010年3月に開設したきゃりーオフィシャルブログ「きゃりーぱみゅぱみゅのウェイウェイブログ」が同年内に200万PV/日を達成し、デビュー前からネットでの下地があったことを知っておいて下さい。
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「きゃりーぱみゅぱみゅ」の天才的な表現について
鈴木:
ブログのアクセスよりも彼女の写真の表現方法、センスが光っていた。発信を楽しんでいた。
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海外展開の方針について(YouTubeが疑問視されていた頃)
鈴木:
メジャーメーカーいくつも手を上げていた。
バジェットがあるわけではなかった。
売りとして映像に特化。
YouTubeというインフラを利用。
中川:
当時、Youtubeがプロモーションになるか疑問視されていた。
まずは良いものを届けようという方針だった。
フルで出すと、DLに影響が出ると持ったが、認知度を上げる方が大事だった。
海外展開における想定外の出来事
鈴木:
(リンプ・ビズキットのフレッド・ダーストがTwitterできゃりーのリンクをツイートした事を受けて)
この件で跳ねたというよりは、通過点の1つだった。「PON PON PON」がフィンランドのiTunes Storeエレクトロニックチャートで1位。ベルギーとスウェーデンで4位。
想定外がたくさんあった。フランスで当たると思ったが、思っていた結果とは違った。
海外を意識したデビューアルバム「もしもし原宿」について
中川:
原宿は世界的にもムーブメントがあった。
「原宿」という言葉をタイトルに入れたかった。
中国語で(もしもしは)ウェイウェイだよねという意味のない感じが良かった。
ターニングポイントになった「JAPAN EXPO」
フランス・パリで行われた「JAPAN EXPO 2012」にて、ファッションイベント「HARAJUKU KAWAii!!!!」に出演したことを受けて。
参照:きゃりー「HARAJUKU KAWAii!!!!」パリ編で海外ライブ
鈴木:
EXPOに出る事で完結するのがゴールではなかった。
日本にフィードバックして事例を伝えられたのが良かった。フランスに向けてちゃんと仕込んでおく、フィードバックまでやりきるということを意識していた。
「必ず拡散させる」という強い意志を持っていた。「拡散したらいいな」ではなく。
YouTube再生回数が増えたキッカケは?
中川:
(海外スターに憧れられていることについて)今までアウトプットしてきたことの成果。「いくら払ったの?」と聞かれたりも。そんなの無かった。
まいていた種がうまく育っていた。SNSが強い時代と言われているけど、本人の発信の面白さが大切。よく分析されるが、本人のリアルな部分が重要。
【僕はこう思った】成功に一番必要なのは「情熱」
このセッションを聞いていて感じたのは、成功に必要なのは戦略やシステム的なものではなく、もっとマインド寄りな「情熱」であるということ。これは、アーティスト側も裏で仕掛ける側も同様。
きゃりー氏が「ブログ当初から写真の表現方法、センスが光っていた。」と鈴木氏に絶賛されたのは彼女が心からブログを楽しんでいたから、「情熱」があったからだと思います。
さらに、海外展開を成功させた鈴木氏の言葉にもあった
「必ず拡散させる」という強い意志を持っていた。「拡散したらいいな」ではなく。
という部分。
ここに、鈴木氏の成功させたいという「情熱」が現れていますよね。実際、会場でもこの言葉には力がありました。
さらに、終盤で語られた中川氏の
よく分析されるが、本人のリアルな部分が重要。
という言葉からもマインドの重要性を感じました。ここは最近語られ始めた「再現性の低いもの」という話になります。
参照:なぜ大企業はインバウンド観光メディアを作らないのか?再現性の低いメディアを作り上げる重要性。
これまではシステム的な再現性の高い部分が重要視されてきましたが、こうした成功例からも分かるように、これからは再現性の低い、その人にしか達成し得ないマインドの部分が重要だと感じました。
こうした学びを、今後のブログ運営にも活かしていきたいと思った3連休最終日でした。作り手としてしっかり意識していきます。
ではまた!