その名も『日野瑛太郎 × ファーレンハイト × はせおやさい×北村聡一 サイボウズ式 「チームワークの作り方」』。
日野さん目当てで参加したこのイベント。予想以上にアツい話が繰り広げられ、ブロガーとしても勉強になるイベントになりました。その中身をレポートしますのでぜひ読んでみてください。
それではどうぞ!
イベント概要
サイボウズのオウンドメディア「サイボウズ式」にて連載中のサイボウズ式「ブロガーズ・コラム」。こちらのコラムでは「チームワークには何が必要か」と言う事をテーマに3人のブロガーが記事を書いています。
本イベントでは、この「ブロガーズ・コラム」を作るメンバー(ディレクションの北村さん + ブロガー3人)が、コラムの裏話やブログに対する考え方などを赤裸々に語ってくれました。
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登壇者紹介
登壇者は4人。
日野さん
「働く事」に対して問題提起するブログ「脱社畜ブログ」の管理人。
イメージと違って背が高くて細いことに驚きました笑
ファーさん
My Favorite, Addict and Rhetoric Lovers Onlyの運営やAMでコラムを掲載中。飲み会で一人勝ちする女子などエッジが立った文章が特徴的で、つい何記事も読み込んでしまいました。
コラムなどではエッジが利きすぎて炎上する事もあるようです。
はせおやさいさん(以下:はせさん)
インターネットの備忘録を運営している女性ブロガー。2008年からブログを書き始める。(それまではテキストサイトにて発信)
電子書籍「ブログにためになることなんて書かなくていい」を出版。
サイボウズ式にて執筆するきっかけは、ディレクションを担当しているkroonの北村聡一さんに声をかけていただいたこと。チームワークのトラウマをテーマにしている。
北村さん
かつてサイボウズに在籍し、現在はサイボウズ式のディレクションを担当。
サイボウズ式は認知度向上を目的としている。
サイボウズ式に人を集められるように人気ブロガーを集めた。
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ネットの釣りについて
話のテーマはネット上でいわれる「釣り」に対して各々の考えを言い合う事に。
わからない人のために説明しておくと、「釣り」とは煽って注目を集めることを指します。この前提をふまえた上で彼らの主張をお聞きください。
ファーさん
釣りの自覚はない。webは本のように初版の量が決まっていない。初動が大切。クリックが大切。ブログにはタイトルが大事という原則がある。釣ったからには満足して帰ってもらうようにしている。がっかりして帰ってもらってはいない。
日野さん
脱社畜は釣っている感覚はある。タイトルは気にしている。
webのメディアはタイトルに訴求力がないとパワーが出ない。
釣りの線引きはしている。最近RSSが増えてきたので釣りは抑えている。
東洋経済オンラインの連載タイトルは編集者が決める。編集者がタイトルを付けていた。
日野さんは自信は抑えめなタイトルをつけていたが、編集者がそれをアレンジしていた。
タイトルは読ませる技術として大切。
もの売るためにブログをやらない。この情報商材で脱社畜卒業しましたは絶対やらない。
信頼がなくなってしまう。
なお、このお話の途中にあまりしゃべらない事をつっこまれて「リズムがある」と返していました笑
その言葉通り、以降饒舌に。
北村さん
サイボウズ式は宣伝やらなくていいという方針。4人でやり取りするときにサイボウズ製品使っていない。
はせさん
全く釣れない。はせさんは気にしてしまうから反応を見ないようにしている。
あるがままに綴っている。
インテリの感じだけど、裏で抜けているのを知っている読者に愛されているブロガー(by北村さん)。
なお、はせさんは初めてできた後輩を潰した話を泣きながら書いていたそうです。はせさんの心優しい一面がかいま見れるエピソードですね。
北村さん
納期とPVを求めた。他のライターさんや寄稿者はPVを気にせず書いているんじゃないか?という疑問があって、PVを気にしてくれるブロガーを選んだ。
感情について
続いてテーマはユーザーの心を揺さぶる記事を書くために必要な「感情」について。
ファーさん
読み手は感情を消費したいい。「うれしい、悲しい」という気持ちを揺さぶれるか。
北村さん
楽しい、違うだろというどっちか(両極)にふれる感情を抱いてもらえることをライター3人に求めた。
日野さん
ターゲットを定めてそのターゲットがどんな感情を抱くか想定して書いた。
「飲み会」を捨てたチームビルディングの記事においてターゲットはお酒を飲めなくて、飲み会に対して嫌な思いをしている人。想定と違った反応のされ方をしてこまった。拡散のシナリオを想定して記事を書いている。
ファーさん
ペルソナマーケティング大事。誰のために書いているかを明確に。自分のできない事は書かないようにしている。
ちょっとここで脱線してビジネス書についての議論が。
日野さん
実はビジネス書苦手。ビジネス書自体市場規模が大きくないのでは。いつの時代も同じような内容が周期を繰り返している。最近のビジネス書は最後まで読めるようになっている。7つの習慣とは違う。
4人
7つの習慣の焼き回しが多いのでは?
はせさん
ビジネス書は瞬間風速が速い分野。
北村さん
新書もタイトル煽るよね?「なぜ、社長のベンツは4ドアなのか? 」とか。
サイボウズ式でやめてほしい事がある。それはウソを書く事。
某メディアは記事で「〜の理由」と煽っているのに本文に理由を書いていないときがある。あれはやめてほしい。
ここからタイトル付けに議論は移行していきます。
タイトル付けについて
日野さん
ホットエントリメーカーは使わないようにしている。それは「考えすぎてはげそう」など過剰すぎてウソが混じる。
そういう事をやっていると信用を失う。長期的に見ると損失。
脱社畜さんのタイトルでも文句つけてくる人はいる。
タイトル付けのときにフックを意識している。
「入社して数年たってから仕事が面白くなるのは個人の成長とは無関係」これを「成長とは無関係な事もある」とつけるとフックにならない。どんなことも中庸になるもの。
ファーさん
出口で中庸を書くと上手く収まるが、入り口であるタイトルを中庸にしてしまうと面白くないから言い切る。
日野さん
ブログは極論ぽい事を言っている。極論を言う事で世の中がなだらかになると思っている。
中庸を言っているブログは「?」ということ。切れ味が鋭いことでバランスをとっている。
釣りの線引きだが、「煽り」はOK。「釣り」はだめ。その人の人生を狂わせるのはダメ。
フリーランス奨励して誰かの人生を狂わせてしまうのはダメ。
それは釣りになる。最終決定に関与する情報は出さないようにしている。
ファーさん
責任取れるかと言う話。
日野さん
恋愛に置ける告白と会社やめちゃう話は違う。
ファーさん
多少、無責任でいいと思っている。そんな盲目的になってほしくない。
日野さん
デリケートさは大切にしている。仕事に関しては責任を持てない。
ファーさん
やってもいいじゃんと書くけど、ここはわかってねというポイントは残しておく。
無責任にならないように。
「結局は自分が何をしたいか」と判断を読者にゆだねる。「決めるのは自分」。
はせさん
わたしは離婚して幸せになったけど、みんなそうとは限らないを書いてネガティブコメントに落ち込んだが。嘘はつかない。
「こんなダメなお姉さんがいるんだ」と勇気をもらってほしい。
本音について
テーマは「本音を書くこと」にシフトしていきます。
北村さん
本音とブログの主張は違うのではないか?
(日野さんに対して)飲み会好きなくせにランチを推奨するのはどうなの?
日野さん
あれに論理矛盾はない。記事をよく読んでほしい。
ファーさん
日野さんとは飲み会で知り合った。
はせさん
離婚を完全にいいと思っているわけではない。80%は幸せだと思っている。
日野さん
75:25くらいで思っていても中立の記事にしたら記事として面白くない。
0%では書いていない。0%で作ってしまう人こそ釣り。
4人に共通していること
記事にウソはない。だが、盛るのはあり。
日野さん
突っ込ませる。脇をあえて甘くしている。それに対してブコメしてくる人いる。隙をつくると、はてブがついてPV伸びる。
はせさん
言いたいだけのはてなユーザーに対してあえて隙を作る人もいる。ネガコメを見ないようにしている。
※はせさんが以外と繊細でファンになりました笑
ファーさんからネガコメつき出したから、読まない方がいいと教えてもらえる。
※余談
この話を聞いて4人の良好な関係がうらやましいなーと感じました。
いいチームです。サイボウズ式。
また、ここで日野さんが187cmあるというプチ情報が。冒頭でも書きましたが、日野さんは羨ましいくらいスタイルがいいイケメンです。
PVを出す方法
ここから話題のネタは「PV」を稼ぐ方法に移っていきます。
ファーさん
7年くらいエキサイトブログで書いていた。当時は100PVくらいだった。
俺が何食いました、どこに行きましたは誰も読みたくない。
みんな武器を持っている。自分が知っている事で人が知らない事がある。
それが恋愛だった。
経験値が知らない間にたまっている事がある。
意外にそれがネットに流れていない。
ちょっと煽りながら流すとうまくいく。
普通の人は記述の解像度が甘い。3行で書ける事を解像度を高めて1200字にしている。
3行の内容を上から目線で煽る。
上から目線だが、最後にあったかい部分を見せている。
つまり、人との差分を探す。それを細かく書く。
日野さん
ペルソナマーケティングを意識している。ターゲットの詳細を把握。
はてなブックマークのホットエントリを1年くらい見ていた。
ただ見ていたわけではなく、ホットエントリした理由を分析していた。
ホットエントリの中でも詳しく分類していた。
昔の焼き直しも効果ある。ウケる古典、ウケない古典がある。
ファーさん
恋愛とライフハックを混ぜている。それは強い。掛け合わせって大事。
日野さん
はてブで跳ねるだけでなく、RSSや信頼を気づいていくにはブランディングが必要。専門分野が必要。
はせさん
PVのテクニック好きじゃない。ブログを続ける事に意味がある。何も考えていない。離婚ネタで叩かれているので、それで伸びるのは知っている。
北村さん
自分がどんな人、何を誰に見せたいのかを明らかに。
就活時の自己分析同様。
自分がやり続けられる事を探して。
自分が知っている事ってあっさり話しがち。和食のプロはだしの取り方をじっくり話さないが、実はしっかりだしを取っている。自分が好きなことを好きじゃない人に話す力は必要。
ファーさん
瞬間的にPVを稼ぐ方法はあるが、反発来る。短期間だとそれだけネガコメがくる。じわりじわりか瞬発力どっちをとるか。
日野さん
ネガコメ見ないようにしている。ブログが成長してくるとアンチが出てくる。ネガコメも。
真摯に対応するとエネルギーを使うので、シャットアウトしている。
ブログの書籍化について。
どうやったら書籍化するか?編集者は企画を挙げると言うノルマがある。ずっとネタを探している。
編集者が自分のブログを見てくれるチャンスある。
このブログのターゲットは誰なの?を企画会議に通せるようになるといい。脱社畜はコンセプトが明確だった。
書籍を出したい人は本屋で「その本のターゲット」を分析してみる。
働き方本は今ブーム。戦略が大切。本書くつもりでブログを書くといいのでは?
ブログは完結しなければいけないから、本当に書籍のつもりで書くのはマズいけど。
日常ブログはキツい。はせさんが書籍化できたのはやり続けたから。
北村さん
友人が「こんな企画ない?」と提案してくる。それだけ編集者はネタに困っている。
なぜブログを続けるの?
テーマを話し終えた後に質疑タイムが始まり、「なぜブログを続けているのか?」という質問が。それに対して各人はこのように回答していました。
はせさん
ホントweblog(自分のライフログの意味)。
IT女性はロールモデルが少ない。自分なりに楽しい仕事をしてログを残してモデルになっていたい。実際、ありがとうの声もある。
離婚話は悩んでいたが、迷っていたときにブロガーイベントで書いた方が誠実ですよと言われた。結婚の時は書いたのに。離婚しても立ちなおれる事を伝えるのが誠実だった。
日野さん
始めたきっかけ。会社を辞めたかった。鬱憤たまっていてそのネタを書けていた。
今は脱社畜して、鬱憤が減ったから見失っている。
だんだんweblogになっていくんだろうな。発表の場としてはいい。
PVも最近興味がない。PVは支持に比例するかわからない。
ファーさん
書いた文章がどれだけ人の心に響くか試したかった。表舞台で。しかし、半年前にやめようとしていた。北村さんに声を書けられて書くように。
定期的に更新して書籍化したいが、労力ガかかる。
はせさん
最初の3行しか読まない人がたくさんいる。それでネガコメがつく事もある。
あとがき
面白い話を聴く事ができたこのイベント。Webでは見えてこない各人の「人柄」が見えてきて大変満足して帰る事ができました。
日野さんが実は背が高かったり、意外と柔和で優しかったり(ブログテーマもありトガった人だと思っていた)。
ファーさんがお客さんを楽しませる事に対して非常に気をつかってくれていたり。
イベント終了後、ファーさんの人柄がわかるエピソードがありました。
書き起ししながら聴いていて自然と無表情になっていた私に「大丈夫でしたか?満足できていないようだったので、心配で。。」と声をかけてくださいました。
ファーさんは本当にいい人です!ただのチャラい人かと決めつけてしまってすいませんでした笑
はせさんも強い女性かと思いきや意外と繊細な面もあったりで共感する部分が多く、ファンになってしまいました。
さらにイベント終了後に希望者で飲みにいったのですが、そこでも楽しい時間を過ごす事ができました。サイボウズ式を担当している@saicolobe さんや就活中の大学生、ブロガーさんなど普段は決して会えないような方との出会いがありました。
特に印象に残ったのが、@saicolobe さんとのお話です。メディアについてお互いの考えを話した事もそうですが、サイボウズ式に対する想いを聞いて、その熱さに感動してしまいました。あの熱い想いのおかげで、僕のサイボウズ式に対するエンゲージメントはより高まっていくでしょう笑
イベントから2次会まで楽しいことばかりの今回のイベント。こうした満足度の高いイベントには今後も参加していこうと誓ったGW初日でした。
いやー、楽しかった。
らふらく^^。