先日、あるテレビ番組を見ていたら、面白い光景を目にしました。それはマイルドヤンキーと定義される方々の部屋にタレントが訪れた時の事。彼女たちの部屋にはレディーガガとEXILEのグッズが溢れていたのです。
聞くと、彼女たちは2組のファンでLIVEにも足を運んでいるとの事でした。そしてこの時、音楽性には何の相関もないように見えるアーティストでもファンの層は一緒なのだなと感じたのです。
そして、「マーケッターであれば、こうした目には見えづらい相関を捉えなければいけないんだなぁ」なんてこと考えつつ、前に参加したビッグデータを活用したCCCの音楽ビジネスの展望というイベントで語られていたデータによるレコメンデーションの話を思い出しました。
ビッグデータを活用したCCCの音楽ビジネスの展望
ちなみにCCCとは、TSUTAYAなどを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社のことです。CCCでは、データ分析によってユーザーに興味に応じた商品をオススメ(レコメンド)する仕組みを構築しています。
そして、その担当者が取り組みについてお話して下さったのです。
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Tカードのエンタメビッグデータの活用事例
その中で面白かったのが、あるアーティストのファン層を分析してファンの方々にCDとは違った商品をオススメしていくという話。
例えば、iTunesストアなどで人気を博している女性アーティスト「A(イニシャル関係無し。ここでは明示しません)」。彼女たちのファン層の分析は、ファンが他にどんなアーティストのCDを買っているかという話から始まりました。
そこで挙げられたのが「西野カナ」「三代目 J Soul Brothers」「ATSUSHI」「安室奈美恵」。これを聞いたときは、上記の女性アーティストの特性から「なるほど」と感心してしまいました。
定性的にその相関を考えてもなんとなく似ているなと思えるのです。
他にも、「西野カナ」「安室奈美恵」のファンは逆に女性アーティスト「A」のCDを買っているか、「A」の購買層の年齢、性別などが分析されていました。
アーティストのファンが購読している雑誌や漫画からレコメンデーションを
そして「A」や「西野カナ」「安室奈美恵」のファン層が購読している雑誌や漫画を分析していました。さらに、嗜好度という特殊な指標を用いて、一見想定できないようなアーティストとの相関がある事も述べられていたのです。
さらに「A」のファン層が良くレンタルしているDVDやTポイントが使えるお店で購入しているリストから、多様な相関を見つけていたのです。
「A」のファン層に刺さる商品などを細かに分析してプロモーションに活かしているとのお話も。また、しっかりとペルソナも想定されていて、データ分析を存分に活用している印象を受けました。
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データによって相関は見えてくるけど、人の力も必要
これだけデータで多様な相関を見つけて、商品のレコメンドに役立っているという話を聞いた後に、担当者がこんな言葉を残して会を締めていました。
データでヒットは作れない。
ファンの感性とDBが紐づいて、ヒットが生まれていく。
この言葉を僕は「データによって定量的におすすめ商品を見つけることで、マーケティングやプロモーションに活かせる素材は用意できる。だけど、実際にファンを動かすにはその業界のプロによる、データでは見つけられない定性的なものが必要なんだ」と解釈しました。
このことから、これからファンに対してオススメ商品を提供していく際は、データに加えてもっとパーソナルな玄人による目利きが重要なのかなと考えました。
ですので、マーケッターやプロモーターの方々はこうした事を知っておくと、今後の仕事にも生きていくはずです。覚えておくと良いかもしれませんよ。
ではまた!(提供:らふらく^^)