先日、ネット業界内で有名なメディアを運営している方とお話しました(ソシャップではない。昨日もバズってた所)。その際、話題に上がったのが「アクセスの量ではなく質を意識しなければならないよね」ということ。
お互い、企業からの問い合わせが増えたこともあって、担当者とやり取りするわけですが、企業の方はPVを非常に気にします。
広告主の立場からしたら、わからなくもないのですが、別の考え方も必要だよね、という話になりました。そんなこともあって、今回はPVの質について考えてみます。
結論を先に言うと、暇つぶしのために訪れているユーザーを1万人集めるよりも前向きに情報を得に来る(勉強しにくる)ユーザーを100人集めた方が効果があるよね、という話です。
メディア運営者はもちろん、広告主の方にも考えていただきたいことですので、先を読み進めてみてください。
漫画を全て引用しているサイトのアクセスなどカス
例えば、ジャンプのようなコミック週刊誌、『ONE PIECE』のような単行本のキャプチャ(一部ではなく中身全部)を掲載しているメディア。ここにアクセスしてくるユーザーについて考えてみましょう。
この行為自体は違法なので、個人的には最低だと思っているのですが、こんな運営をしているメディアはたくさんあります。実際、この手法で「月間100万PVいきました!」とドヤ顔している方もいましたから、”ユーザーは”集められるのでしょう。
100万という数字、量で評価したらすごいことですからね。
では、質でみたら、どうか。
ハッキリ言ってカスです。そこに集まってくるユーザーは、無料でコンテンツを消費しようとしているからです。
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漫画のネタバレサイトに集まるユーザーはお金を払わない
ネタバレサイトに訪れるユーザーはコンテンツに対するリスペクトがありませんから、コミックの単行本にお金を払おうとしないでしょう。そのサイトに行けば、無料で消費できてしまうのですから。
このようにして、無料で暇つぶしをすることに罪悪感を感じない、最悪なユーザー。こんな人たちを集めて、そのメディアは儲かるのでしょうか。きっと、無理でしょう。
せいぜい、クリック型広告で1クリック数十円の利益になるだけです。こんなダサいメディア運営なら、長期継続できるかどうかなんて容易に想像できますね。
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勉強しに来てくれるユーザーは本を買うし、セミナーにも参加する
では、この対極とも言えるユーザーを集められるとしたら、どうなるでしょうか。
例えば、「ヒットアプリを出した開発会社の長文インタビュー記事」や「メディアのマネタイズを議論したイベントの長文記事」を読みに来てくれるユーザー。
こうした人たちは、積極的に学ぶ意識、明確な目的を持ってサイトを訪れてくれますから、質の高いユーザーと言えます。記事の滞在時間は長いでしょうし、記事で得られた学びをアウトプットとしてシェアしてくれるでしょう。
30近い問い合わせを生むメディアは価値が高い
こういった方々は、記事の中で勉強になる本が紹介されていたら、購入してくれるだろうし、インタビューで成功要因として紹介されたツールがあれば、それを導入しようとするでしょう。
また、レポート記事の最後に次回のイベント告知がなされていたら、申し込んでくれる人もいるでしょう。
実際、冒頭で述べたメディア運営者は、アプリ開発会社の成功事例をインタビュー記事にした所、開発者の元に30近い問い合わせが寄せられたそうです。
また、他のインタビュー記事で取り上げたアプリ開発会社では、提携先が決まるなど、メディアを介して多くのビジネスチャンスを生んでいるんだそうです。つまり、お金を発生させているんですね。
それは、質の高いユーザーを集めているからこそなせる業なのです。
掲載された会社の社長がSNSでシェア>それを見た業界関係者が問い合わせる
実際、このメディアでは以下のような良いサイクルが生まれているそうです。
アプリ開発者のインタビュー記事を載せる
↓
その会社の社長とか偉い人がFacebook、Twitterでシェアする
↓
その社長とFacebookで繋がっている業界関係者が読む
↓
読後、業界関係者がインタビューされている開発会社、掲載元のメディアに問い合わせる&SNSでシェアする
↓
以下、良質なループが繰り返されて、わらしべ長者的に業界関係者のタイムラインに表示されていく。ここから、問い合わせなどのアクションも生まれる。
量で劣っていても質で勝っているためトータルでは非常に効果的なメディアに
このメディアは、1記事のアクセス数が数万いくこともあれば、数千の時もあるそうです。
月間のアクセス数は100万に満たないといいます。量でみたら、漫画のネタバレ記事を書いているメディアよりは劣ります。しかし、質でみたら、圧倒的に勝っていますから、総合的に、このメディアの方が価値あることは自明です。
このようにして、アクセスの質でメディアを見ていくことが必要なんです。まさに、本記事のタイトルが示すように。
何もしない人ではなく、前向きな行動を起こす人を集めたほうが効果的
お金を使わない暇人を100万人集めたところで、ビジネスチャンスは生まれないし、お金も発生しません。ですが、孫正義さん1人がアクセスしてくれたら、そのメディアにはチャンスが生まれます。
このようなことがあるので、今後はメディア運営者、広告主の両方がメディアの価値を再考する必要があるんです。
実際、アクセスの量はそれほどなくても、質の高いメディアは存在します。こうしたメディアこそ、価値を提供できる優れたメディアなのです。
ですので、今後は質を重視して、メディアを評価してみてください。そっちの方が効果は高いはずなので。
ではまた!(提供:らふらく^^(@TwinTKchan))