島根県雲南市にUターンした小山さんにお話を聞いてきました。
現在は、カフェ「憩雲」を週4日で営業し、それ以外の日にはNPO法人「おっちラボ」で経理の仕事をされています。
紆余曲折を経て、今年オープンさせることのできたカフェ。それまでに「地元を離れて→会社員として働いて→お金のために働くことに悩んで」といろいろあったようです。
同じ境遇の方は、参考になるはずですよ。
田舎を離れて都会に出たい。そんな時期がありました
小山さんは、雲南市大東町の出身。大学進学のため、島根を離れて福岡へ。大学卒業後も、社会人として3年過ごし、Uターンしてきた方です。
島根を出た理由は、都会に行きたかったから。(これは、同じ経験をした僕として、非常に共感しましたね)
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お金のために働く生活に疑問を
福岡で働いていた時に思っていたのが「やりたいことがない」ということ。収入を得るためだけに仕事をしていることに気づき、「これから先どうしよう?」と壁にぶつかったそうです。
島根に戻ることを考え出したのは、その時からだと言います。
また、カフェを営む友人の存在も地元に戻るきっかけになったそうですよ。
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島でカフェを営む友人に触発された
小山さんは会社員時代、気休めとして能古島を訪れていたそうです。
そこでは、友達がカフェを営んでいました。
能古島は、信号やコンビニもなく、時間がゆっくり流れる場所。そんな風に安らげる環境を作り出す友人を見て、安らげる空間を地元にも作りたくなったんだそうです。
そこで、地元に戻ることを決意したんですね。
いきなり開業ではなく、準備をしつつ機会をうかがう
戻る際は、いきなりカフェを始めようと思っていたのでなく、「まずは地元の最新の様子を見つつ、動こうと思っていた」「就職するつもりだった」とのこと。
そこで、雲南市の吉田町(山の方)で就職。そこは、雲南の中でも特に人口が少ない地域。
現地で生活してみると、地域の方々がよくしてくれ、都会との距離感の違いを感じたそうです。小山さんは、こうした様子を「煩わしいこともあるけど、そっちの方が馴染んだ」と語られていました。
そうやって生活しているうちに、お年寄りが多い地域にありがちな「20〜30代が地元を離れた後、帰ってこない」という現状を見たそうです。
そこで感じたのが「この地域に貢献したい」ということ。そんな時に知ったのが「幸雲南塾」の存在。
幸雲南塾でカフェ開業を志す
幸雲南塾とは、島根県内で活躍する先輩起業家を講師に迎え、塾生自らが実行するプランを作り上げていくプログラム。
小山さんはそこに参加しました。入る前は、プランを紙に書いて提案するもの、と思っていたそうですが、実際はバリバリの実践型プログラムだったのです。
これが非常に役立ったようで、こんなことを語られていました。
「塾への参加をきっかけに一旦置いていたカフェの夢を進めたいと思うようになりました。そして、仕事を続けながら、休日にカフェのお手伝いを始めたんです。」
会社を辞めて開業準備へ
そうして準備を進めていくうちに、思い切って会社を辞めた小山さん。その後は、お金を借りずに開業できるよう動いていきました。
「去年(2014年)は、NPO法人のおっちラボで活動しながら、カフェオープンの準備を進めました。そこで、カフェの場所として出雲大東駅のスペースを使わせていただけることになったんです。」
「オープンは、2015年の7月でした。ありがたいことに、家賃はかからず、光熱費の負担のみです。人から助けてもらって開業できました。」
本日のランチ豆乳かぼちゃカレーです仕込んでいると、美味しそうなにおいね~って、ご近所さんが寄ってきてくれます。お料理でコミュニケーション(*^^*)
Posted by 憩雲 on 2015年11月14日
「続けられないよ」とネガティブなことも言われた
こうやって開業にこぎ着けた小山さん。しかし、周りからはネガティブなことも言われたそうです。
「(開業した場所に)飲食店がなかったので、「続けられないのでは?」ということも言われました。でも、やってみないとわからないと思い、折れずに挑戦しました。」
「事前に、お茶を飲める場所があればいいね、と地元の方からの声をを聞いていたので、それほど不安になることはありませんでした。実際、営業を始めてみたら喜ばれました。特に宣伝もしなかったのですが、続けるにつれて少しづつ認知されるようになってきました。」
(小山さんはお店の紹介として素敵な冊子を作っております)
お金以外に価値を見つけたかった
順調にカフェを運営する小山さん。今の気持ちをこんな風に語ってくれました。
「福岡時代よりは、今の方が断然楽しいです。福岡も楽しかったですけど、また違った楽しさがあります。お金だけじゃない、他のことに価値を見つけたいな、と価値観を変えられたのが大きかったですね。」
「やっぱり暮らすなら、ここがいいです。人の距離が近いので、自分には合っています。生まれ育った街ということで、持ってるものが近いですし。」
働いてる感覚がない。寝泊まりしたいくらい
価値観も変わり、カフェで働く楽しさを感じている小山さん。仕事の熱中ぶり、すごかったですよ。
「カフェで仕事をしている時、働いている感覚はないですね。主体的に取り組めているので。逆に、自分次第でどうにでもなる分、責任は伴いますが、やればダイレクトに反応が来るから楽しいです。」
「プライベートと仕事の境目はないですが、満足しています。辛くないです。お店にずっといたいので、究極、ここで寝泊まりしたいです(笑)。」
見た目は草食系でも中身はギラギラ
小山さんの第一印象は、「おとなしそうな女性」。でも、話を聞いていくうちに、内に秘めた闘志を持った方だとわかりました。
それは、雲南での活動はもちろん、福岡から地元に戻ってきたことからも感じられましたね。
会社員として安定したお金をもらっていても、「このままでいいのか」と疑問を持ち、やりたいことを模索するために地元に帰るという選択肢はなかなかできないはず。
地元の課題に問題意識を持って行動するのはすごいよなぁ、と
さらに、地元の課題に問題意識を持ち、幸雲南塾に参加し、実際に行動を起こしてまうバイタリティーも真似できるものではないですよ。
仕事で悩んでる方は、小山さんのように身近なことから得られるひらめきを大事にして活動していったらいいんじゃないでしょうか。
このように、見た感じはギラギラしていないけど、やりたいことのためには素直に行動される小山さん。「都会で働いた後、地方で働く」という1つのモデルとして参考にしてみてください。
参照リンク:カフェ「憩雲」のFacebookページ
ではまた!