大企業にいたらダーマ神殿での転職くらい大変な思いをする by『終身雇用』

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『終身雇用 (同時代ライブラリー (204))』という本を読んだら、終身雇用の会社に勤める人たちって特殊な環境で働いてるんだな、ということに気づきました。

本書を読んだら、「そういう会社で働いてる人って、転職とかで変化を迫られたら大変だろうなあ」と思うはずです。

その企業でしか通用しない能力って大変だよな

有名な話ですが、古い日本企業では、新卒入社した会社で定年まで勤めるのが一般的です。海外と違って、人材の流動性が穏やかなんですね。

会社は、ひとたび採用した人材を解雇しようとはしない。なぜならば、会社は人材を育てるまでに時間とコストをかけており、一旦解雇してしまえば、その人と同等の企業特殊的熟練を身につけた他の人を外部労働市場で見つけることは不可能に近いからである。

そのため会社は、たとえ不況で経営が苦しくなっても、人材を企業内に確保しておこうとする。

他方、従業員の方も、会社を変わらない。

A社に勤めている人がB社に移ろうとする場合、A社で身につけた企業特殊的熟練はB社では役には立たない。その人は初めからB社で学びなおさなければならない。当然、この人の待遇は、A社にいた時と比べて劣るものになるであろう。

それだけの犠牲を払ってまでB社に映るのは、よほどの理由がある場合に限られるであろう。

会社は学校教育を終えたばかりの人を採用し、ずっと企業の内部に確保する。従業員は他社に移らない。かくして終身雇用が成立する。

企業特殊的熟練は、企業内部にとどまる年数が長ければ長いほど高まる。会社は、高まった企業特殊的熟練にたいして、高い賃金を払うであろう。

日本には、こうした仕組みがあるため、会社を変えることがそれほど根付いていません。

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転職先では、前職で積み上げたものが役に立たない

では、なぜ会社を変えようとしないか。同じ職種でも企業ごとに必要なスキルが異なり、企業を離れてしまえば、培ったスキルがチャラになってしまうからですね。まさに、ドラクエにおけるダーマ神殿での転職のように。

転職すれば、移った先の企業でレベル1から鍛え直さなければならず、大変な思いをすることになるんです。これはおかしな話ですよね。同じ職種なのに、それまでの積み上げが無駄になってしまうのですから。

そして、このような奇妙な状況になったのは、日本が後発資本主義国だからなんだそうです。

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産業革命が起きた国では、企業を横断して通用するスキルが身についていた

世界で最初に資本主義国になったイギリスは、日本と異なります。イギリスの工業化のテンポはゆっくりしていたため、中小企業が多く、大企業体制への移行が遅れました。

組織が大きくなかった分、働き手が分散し、企業間で人材の質の違いはあまりなかったそうです。そのため、働く人のスキルはどの企業でも通用するものだったんです

こうした背景があったため、徒弟教育(親方が弟子を鍛えるやつ)で育てられる人材も企業を超えて活躍できたのです。

日本では一気に工業化を進めるために、大企業が独自に人材を育てるやり方が根付いた

一方、日本は後発資本主義国だったので、明治政府は上からの工業化を図りました。財閥と協力して、進んでいる欧米の技術を導入して、大企業を作り上げ、一気に工業化を進めようとしました。

しかし、欧米人並みのスキルを持った働き手はいませんでしたから、自分たちの会社でそのスキルを1から養成しなければならなかったんです。

このように、業界全体で正しいやり方が定まらないまま、各企業が試行錯誤しながら工業化を進めようとしました。それによって、同職種でも求められるスキルが会社ごとに異なる、という現象が起きてしまったんです。

それが現在でも続いているというわけですね。

積み上げたスキルが無駄にならないように転職はしない方がいい

これまで紹介してきたような話は、大企業に勤める人からも聞く話です。例えば、「人間関係の構築がうまいから会社Aでは活躍できるけど、他の会社に行ったら、そうでもない」みたいに。

だから、有名な大企業にいる人であっても、転職市場において重宝されるかといったら、そうでもないんです。むしろ、大企業とは呼べないベンチャーでバリバリやってきた人の方が重宝されることもあります。

最近だと、日本でも「定年まで働かず、数年働いたら転職する」という働き方を推奨するベンチャーも出てきて、イギリスにいた熟練工のように振る舞える人も増えています。

こうした人は特にWeb系の企業に勤めるエンジニア、デザイナーに多く、業界内で必要なスキルを身につけているので、会社が変わってもそれを利用することができます。

冒険した友人に影響されてはいけない

しかし、大企業に勤める人たちは違います。身につけているのは、社内でのみ通用するスキルなので、企業を出たら、ダーマ神殿での転職のように1から修行し直さなくてはなりません

これは非常に大変なことです。ですので、昔ながらの大企業に勤める人は、こうしたことを意識しながら、キャリアについて考えたほうがいいです。

たまに、転職でベンチャーに行った友人に憧れて「俺も!」なんて意気込んでる人を見かけるのですが、それって非常に危険なことです

ですので、同じようなことを考えている方は、一度冷静になって考え直してみてください。大企業なら、定年まで給料をもらい続けられる可能性は高いです。

そうした安全な道を歩ける事って非常に幸せなんだと客観的に考えた上で、検討しましょうね。

ではまた!

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